今日は株式投資、そしてビジネスにおいて最も大切な考え方だと言っても過言ではない『損切り』の考え方について、書いていきたいと思います。
この考え方をしっかりと身に付ければ、株で大失敗することはまずなくなるとさえ考えています。
目次
どんな投資本やコラムにも書いてある、「損切り」の大切さ。

どんな投資本を手に取って読んでみても、ほぼ100%損切りの大切さについて書いてあると思いませんか?本にも書いてあるし、たくさんの一流トレーダーも損切りは大切だと方々で言っています。なぜみんな口を揃えて損切りの大切さを説くのか、それは本質的に間違いのない事実だからです。
逆に言えば、損切りだけしっかりできれば、株の短期や中期投資、FX、仮想通貨など、全てにおいて大損することはない!とさえ言いきれると思っています。どんな投資テクニックを学んでも、損切りありきだというのが、筆者の考え方です。
損切りできないとこうなる!?
皆さんも投資で大失敗した話、聞いたことありますよね。
・株で○百万円すった。
・FXで○百万円損した。
これは全て、損切りできなかった人の末路なのです。
だってそう思いませんか?
100万円投資して、20万の含み損(仮に)を出した時点で損切りできなかった
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もっと下がった
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余計売れなくなった
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さらに下がった
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80万損した
極端な例ですが、これが大損食らう人の典型的なパターンです。そして-80%になってしまては当然売却ができなくなりますよね。なぜなら売却したら損失を確定することになりますので。
↑のパターンの局面では、20万円の含み損が出ているということが前提になっていますが、本来100万円の資本で20%の含み損は大負けです。つまり、100万の取得単価なら、本来なら(考え方や投資手法により損切りラインは様々ですが)数万円で損切りしなければだめです。
大負けしてる人の典型的な考え方の一つが、20万の含み損を出した時点で、『持ち続けていればまたいつか元の水準に戻るだろう』という考え方なのですが、これは全く根拠に基づいていない、いわばただの『希望』なのです。
損するときの典型的な思考
先ほどの大損するパターンの人の思考はこうです。
100万円投資しよう
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20万円下がった
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いや、切らずにもう少し待ってみよう。元に戻るかもしれないし
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戻らない
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含み損50万円まで拡大
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もう無理だ、諦めよう・・・
です。
耳が痛い人も多いのではないでしょうか。数%で損を確定し、損を受け入れることが出来なかったばかりに、結果、諦めによって50%の損失を受け入れているのです。
ここでの敗因は次の2点だけです。
1、早く損切りできなかった
2、また元の水準に戻るだろうという、根拠のない考え方を持ってしまった
冷静に考えれば、何も複雑なことは言っていません。だけど市場に参加すると、これがなかなかできないのが現実なのです。
元の水準に戻るだろうという、「勘違い」

先ほどの損した例で、「また元の水準に戻るかもしれない」という皆様が最も陥りやすい思考があります。ギャンブルでいうところの、「今回の負け分は、次で必ず取り返す」というメンタルに非常に似ています。これでは投資の世界では勝てないのです。
何度も言いますが、初心者の方は例えば数%の損失を嫌ったばかりに、50%も60%も損失を出してしまうことがよくあるのです。
確かに株価というのは直線的には上がったり下がったりしません。上昇した後に一度下げてからまた大きく上昇するということもよくあります。
だけど、100万の投資で10万の含み損を出した時点で、また元の水準に戻るだろうという考え方は全く根拠がないのです。
もしそう思うのならば、一旦10万で損を確定して、ちゃんと元の水準に戻った時点で買い直す方が賢明な判断だと思うのです。
含み損を損切りできない素人の投資家さんが多いから、塩漬け株が毎日わんさか生まれるのと、水準がもとに戻った時にそういう人たちが決済することによって、直近のレジスタンスラインが生まれるのです。
根拠を持った投資をすること
✓なぜ、その銘柄を買うのか
✓なぜ、その価格で買うのか ✓なぜ、その投資配分なのか ✓なぜ、損切りラインを〇円で構えるのか |
自分で答えを持った投資をしなければ、成長しません。今回こういう投資をしたから、こういう結果に終わった。という数限りない分析を重ねて、自分の投資の精度を上げていくのです。
皆さんは株のことを学びたいから勉強するのではなく、株式投資という一つのツールを使って自己資本を拡大させたいから、投資するのですよね。
しっかりと根拠を持った投資を心がけて下さい。
損失の許容範囲
とは言っても、利益確定や損切のパーセンテージは相場によって変わります。特に利確については一概に〇%とは言えないでしょう。
投資スタイルや、その時の相場、銘柄によって変わりますし、損切りについても、例えば銘柄の保有期間によっても変わると思います。
長期投資ならある程度深めの損切りラインになると思いますし、短期売買なら浅くなると思います。
損切りというのはパーセンテージで決めることも大事ですが、ご自分の投資資金額に対して、どれだけの損失を許容できるか、ということも大切です。
資金量によって、同じ10%でもその金額は変わるからです。
ビジネスでの損切り

まず、皆さんは「損切り」という言葉にネガティブなイメージを持ち過ぎている気がします。「損」という言葉に合わせて、マイナスなイメージを持つのでしょう。
だけど、ビジネスにだってマイナスはありますよね。売上が1億円の企業があったとして、経費0円の会社なんてあるわけないのです。
一般的な企業でしたら、オフィスの管理費用があって、人件費があって、設備投資があって、下請けさんへの支払いがあって・・・という毎月経費がかかります。
その経費があるからこそ売上げを上げることができるのです。
経費として払い出しているコストを、毎月いちいち「マイナスだ・・・」と落ち込んでいる社長は、普通に経営が上手くいっている会社にはいないはずです。
だけど、ここで経営者の手腕が問われるところですよね。同じ売上を出しても、経費をいかにして抑えることできるか。ここを上手くできるかできないかによって、利益額が変わるからです。
損切について、こちらの動画の後半でお話させていただきましたので、興味ある方は見てみてください。
株式投資においての「損切り」は「経費」である。
↑の内容は、株式投資でも全く同じことが言えます。
なぜなら、どんな世界的な一流トレーダーでも、利益確定1億円に対して損切りが0円なんていう人はいません。
10回トレードして10回とも利益確定で終わる人なんていないのです。
ビジネスにおいて、「経費なき売上がない」のと同じで、投資やトレードにおいても「損切りなき利益はない」のです。
ビジネスで経費をいかにして抑えるかで経営者の手腕が問われると言いましたが、投資やトレードにおいては、損切り額をいかにして抑え、手残りを増やすことができるかということが大切なのですね。
損切りを小さく抑えることができたことに快感を得られるくらいにならないとだめです。
小さな2~3万円の損失を嫌っていたら、結果的に50~60万円の損失を受け入れる結果になってしまいます。
つまり、株式投資において「損切りができない人」は、経営者としての感覚がないということ。
損切りは大切な投資戦略なので、身体に身に付けましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。