現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~
本日は、金融や経済を考えるときに切っても切れないもの、「金利」ついてのお話です。
なぜ金利は変動するのか
我々30代は物心ついた頃から低金利が継続しているため、昔の日本では預金に預けると利率が年率7%以上付いた時期もあった事など知らない人もいるかもしれません。
「金利」と言うものは国によって違います。
そしてこの「金利」と言うものはその国の経済を統括する中央銀行(国が管轄しているとこもあります)が管理しているのですが、皆さんは金利がどのような理由で変動するのか考えた事ありますか?
金利と一言で言っても、預金金利や国債金利など様々な金利があります。
ただ、現代で金利と言えば金融では「政策金利」を指す場合が多く、現在の日本では「無担保コール翌日物」と言う金利指標を指す場合が多いです。
無担保コール翌日物
聞き馴ない言葉ですよね?
無担保コール翌日物と言う金利は、銀行同士でお金の貸し借りを行う際に、「明日返すからちょっとお金貸して!」と言う取引に使います。
「銀行が他の銀行からお金を借りることなんてあるの?」と言われるかもしれませんが、また改めて説明しますのでここではあると考えて下さい。
この超短期融資の金利が日本の金利の根幹になり、更に長期間の金利に影響を与えてくるのです。
金利を変動させる理由

次に金利を上げ下げする理由について説明します。
政策金利が上がると皆さんの預金の金利も上がり、更には借入(住宅ローンなど)の金利も上がります。
するとどうでしょう?
皆さんはお金を借りて住宅ローンを組む事を躊躇するようになりますし、無理にお金を運用しなくても預金に入れて置けばお金が増えていくので、お金は預金に停滞するようになります。
逆に金利が下がると、借入(住宅ローン)を組んで住宅も買いやすくなりますし、預金に入れておいても増えないので運用を考えるようになり、お金が流動するようになります。
ではなぜ景気がいい時に金利を上げてお金の動きを停滞させるようにするかと言うと、一番の目的がインフレのコントロールです。
インフレのコントロール
簡単に言うとバブルになったり、景気悪化しないように経済を適温に保つエアコンの様な役割を持っています。
なので景気が加熱してくると、金利を上げる事でお金を停滞させて景気温度が適温まで下がるように調整し、逆に景気が冷え込んでくると金利を下げてお金が流動するように促し、景気温度が上がるようにするのです。
では、日本ではどうでしょう?
現在日本では黒田日銀総裁の判断で政策金利はマイナスの状態にあります。
これは日本の歴史で初めての試みです。
金利について知っていただけましたでしょうか?
しかしながら、この金利の世界はそう単純じゃありません。
次回はもう少し、金利については掘り下げていきましょう。