アメリカ減税法案が、他国の金融市場に及ぼす影響

現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~

こんにちは、当ブログで経済コラムを連載中の霧島です。

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ここまで少しアカデミックになっていたので、ちょっとブレイクして最近の話題も拾って行きたいと思います。

アメリカ減税法案が及ぼす影響についてです。




アメリカ減税法案が他国に及ぼす影響

皆さんはアメリカの減税についての話はご存知だと思いますし、こちらの雅の株ブログの本編でも取り上げていました。

関連記事:アメリカ法人税減税20%を可決!日本の株式市場への影響は!?

そして私が今日お話ししたいことは、この「アメリカ減税のニュースをどう捉えるか」についてです。

私が初期にお話しさせていただいた中に、「お金の流れがわかれば、世界が見える」とお伝えさせていただいた事がありますが、今回はその理解の一つだと思って読んで頂けると思います。

 

まず、このニュースを見た時に「ふーん、そうなんだ」と思った方は金融超初心者で、「じゃあ、アメリカ株上がるな!」と考えた方は金融初心者だと思います。

更に発展して「アメリカ株が上がるなら、日本株も上がるな!」とアメリカと日本を繋ぎ合わせて考えられた人は、金融中級者です。

では、私の考える金融上級者はと言いますと「メキシコ通貨が下落する!」です。

突拍子もない展開ですが、この考えに至るには、①アメリカの現状②他国との関係③他国の現状が頭に入ってないといけないからです。

アメリカとメキシコの関連性

まず、アメリカ減税がなぜメキシコに悪影響を及ぼすのかと言うと、「アメリカの法人税率は減税で35%が21%になり、メキシコの法人税率は30%」だからです。

ちょっと意味わからないと思いますが、実は現在アメリカとメキシコは、カナダとの三ヶ国でNAFTAと言う貿易協定を結んでおり、トランプ大統領はこのNAFTAの再交渉を行なっています。

このNAFTAでは一定の品目については関税がかからなくなっていた為、アメリカ企業はメキシコに工場を作り、安い労働力で車などを作ってアメリカに逆輸入すると言う貿易システムを作って来ました。

トランプ大統領はこの貿易システムがアメリカの雇用を奪っているとして猛反発してきたのですが、メキシコの方が労働賃金も安い上に法人税も低い為、産業には有利と見られて来ました。

しかしながら、今回の減税で法人税率がアメリカの方が低くなってしまった為、メキシコが産業で優位に立てる点が安い労働賃金だけになってしまったのです。

これではわざわざ移送費をかけてメキシコとアメリカ間を行き来するよりも、下手するとアメリカでアメリカ人を雇って車を作った方が安上がりになる可能性が出て来たのです。

 

もし実質的に安上がりであればメキシコ自体から撤退する企業も出てくる可能性が高く、メキシコ経済にとっては大打撃になる可能性が高いのです。

このように一つのニュースを見た時に、他国の関係性やその国について知っていれば、蜘蛛の巣のように関連性を持って世界地図見る事ができ、お金の動きを把握することが出来る可能性があります。

記事を読んで終わりではなく、金融上級者への道として「一つの記事から世界を見る癖」を身につけてみてください!

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こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。