FX(為替取引)のリスクを、【通貨シェア】から考える

現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~

こんにちは、当ブログで経済コラムを連載中の霧島です。

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皆さんは世界で日本円がどの位流通している通貨なのかご存知ですか?

日本円にしか親しみが無いと意外と皆さんは知らない世界だと思いますが、本日は通貨の流通量のお話です。




世界通貨シェア

実は世界の通貨シェアで言うと日本円はザックリ「世界の通貨の5%程度」です。

それでは残りはどうかと言うと、世界の通貨の約60%は米ドルで、約20%はユーロで、イギリスのポンドが約5%です。

なのでこの4通貨で世界の通貨の約90%を占めているのです。

ちなみに日本での流通量が多い豪ドルは世界の通貨シェア約2%、カナダドルも約2%です。

何が言いたいのかと言うと「あなたが選んでいる通貨の流動性は大丈夫ですか?」と聞きたいのです。

FXの目に見えないリスク

為替取引をやっている方は、たまに値幅が取れる可能性が高い南アフリカランドやブラジルレアル、トルコリラなどを取引したり、わけもわからず安全通貨だと言ってスイスフランなどに手を出してしていませんでしょうか?

流通量が少ないと、いざという時に円に交換できなかったりして、想定以上の損失を受ける場合があります。

例えば、世界通貨シェアが1%にも満たない南アフリカランドに、通貨シェア60%のアメリカドルから1%分の米ドルが流入したら、南アフリカランドは大暴騰しますよね?

こうなると一時的に価格が付かない状態になり、売買が成立する価格までランド高が続きます。

この時にランドのショートポジションを持っているとロスカットラインで売買されず、売買が成立するまで借金を増やして行くのです。

よくFXで借金を抱える人が陥るのはこのように、流通量の少ない通貨を取引しているパターンが多いのですね。

アメリカの金融緩和

さて、ここまでくると米ドルの世界通貨シェア60%と言うのがとてもすごい数字に感じていただけると思います。

しなしながら、実は米ドルが通貨シェアが60%になっている裏には「アメリカの金融緩和」が理由にあります。

リーマンショックで経済に大打撃を受けたアメリカは、米ドル札を新たに印刷して市場に流す事で経済を復活させようとしたのです。

結果として、米ドルの通貨量はリーマンショック前の約3.5倍、世界通貨シェアは60%を超えるようになったのです。

そして今アメリカがやろうとしている事は、この市場に流したドル札の回収です。

各国の金融緩和や金融引締めの規模や手口が、為替や株価に及ぼす影響も理解しておきましょう!

執筆者

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こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。