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株式投資の世界でよく起こるイベントの一つに、『自社株買い』というものがあります。
『自社株買い』とはその名の通り会社が自社の株を買うことです。
ではなぜそのようなことをするのかという理由と、自社株買いをすることで企業と投資家の双方にどんな影響があるのかを解説します。
自社株買いとは

『自社株買い』とはその名の通り会社が自社の株を買うことで、市場から買った自社株については会社が『金庫株』として保管しておく場合と償却してしまう場合があります。
どちらにしても、市場から自社株を買うということは発行株式数を減らすことになるわけです。
これは株価を上昇させる要因になります。
なぜなら、市場に出回る株数が減少するわけですから、需要と供給の関係から言って株価は上昇しやすくなります。
さらに、発行株式数が減るということになりますので、1株当たり利益(EPS)が上がることになります。
1株当たり利益(EPS)
EPSは株価の分析にとてもの大切な指標ですが、計算方法はとても簡単で、利益を発行済み株式総数で割るだけです。
計算式:当期純利益÷発行済株式総数=EPS
ということになります。
例えば2000万株の株式を発行している企業が、年間に10億円の利益を上げたとするならば、EPSは10億円÷2000万株=50円ということになります。
そして、なんといってもその会社自身が自社の株を買うということは、「今の株価水準ならうちはお買い得だよ!」と宣伝しているということの表れとも言えるわけです。
企業にとっての影響は?
それでは『自社株買い』はその企業にどんな影響があるのでしょうか。
■株価の上昇
上述しましたが、自社の株ということは、現在の業績に対する株価の水準に自信があるということになります。
株価が上がると思っているわけですから、単純に会社自身も恩恵を受ける可能性があるわけですよね。
株価が上昇することをみこして自社株買いをするわけですから、個人投資家の人気が集まるのも自然な流れとも言えます。
■ストックオプション
ストックオプションとは自社の株を従業委員が保有することができる「従業委員持ち株制度」のことです。
市場に出回る株を買い取り、その株を従業委員や役員が一定の価格で購入することができるようになります。
当然価格が上がれば役員や従業委員が保有している分の株価も上昇するため、自社の株価が上がるように業績アップに努めるわけです。
■買収対策・防衛
これも単純な話ですが、企業の経済活動の世界には、M&Aや買収といったことが多々行われています。
もし敵対会社に買収されたくないと考える場合、自社株買いで株価を引き上げ、自社の保有率を高めれば買収されずに済むと考えることができるわけですね。
『自社株買い』は、買収などから身を守るためにも使われます。
投資家にとっての影響は?
『自社株買い』で発行株式数が減ると前述しましたが、そうなると投資家にとってはどんな影響が生じるのでしょう。
■PERの低下
PERは、株価の割安・割高を判断するための指標で、計算式は【株価÷一株あたり利益(EPS)】でした。
そして『自社株買い』をすることにより、一株当たり利益(EPS)が上昇するわけですから、PERの低下が見込めます。
PERが低下するということは、「この企業の株価は割安だ」と判断されやすくなるわけですから、投資家も集まりやすくなり将来的な株価の上昇が見込めるわけです。
それに、単純に一株あたり利益が上昇するということは、株主にとってはとてもポジティブなイベントと言えるのです。
まとめ
『自社株買い』についての解説でした。
自社株買いは株主還元の対策になるので、投資家にとってはポジティブな場合が多く、一般的には投資家のことをよく考えてくれているなというように捉えることができます。
自社株買い情報なども、普段から気にしてみるようにしましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。