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今回は企業が株式分割をする際の、メリット・デメリットについてです。
目次
近年の動向

近年(2018年5月現在)、東証では株式の取引単位を最終的に100株単位にまとめようと言う動きがあります。
これは株式によって100株だったり1000株だったりする取引の煩雑性を無くし、より分かりやすい市場にしようと言う動きです。
これにより、株式分割や株式併合と言う手続きが多くなっているのでぜひ理解しておきましょう。
株式分割
株式分割
株式分割とは
株式分割とは、株式を分割する行為です。そのままですよね?笑
あなたが持っている1株が、1対2で株式分割するとあなたの保有株は2株になります。
しかしながら、株価も半分になるので理論上あなたは1円も得しません。
では何故、企業は株式分割をするのでしょうか?そこには意外な理由があります。
それは「流動性の確保」と「株主数の増加」です。
株式分割のメリット
メリット
「流動性の確保」「株主数の増加」
例えば発行株式数が10万株の企業が1対2で株式分割をすると、発行株式数が20万株になります。
これにはとても大きな意味があり、東証1部や2部には流動株式数と株主数が一定以上必要という項目があります。
流動株式数とは固定されていない株式の事です。発行株式数のうち売買が成立する可能性が少ない株など(オーナーの一族などが保有する株など)を抜いた分で、これが少ないと適切な市場取引を行えないため必要項目になっています。
株式分割をすると発行株式数が増えるので、流動株式数も増加します。
ちなみに、これにより東証1部に鞍替えするというパターンもあるのです。
株主数の増加
そして株式分割をする最大の理由が株主数の増加です。
今まで最低取引金額が100万円の株式が1対2で株式分割すると、最低取引金額が50万円から買付できるようになるため、今まで手が出なかった投資家も買えるようになると言うものです。
livedoorの株式分割
livedoor
株式分割について有名な案件は、私の記憶の中では風雲児の堀江貴文元代表が率いたlivedoor(ライブドア)が、短期間で複数回の株式分割を行い「錬金術」とも言われた株式分割が鮮烈でした。
livedoor株式は、まさに上記した方法で投資家を増やしていき、結果として分割しても分割した分だけ株価も下がるはずが株式を半分に分割しても、株価は半分にならない状況を作り出して大きな時価総額を作り上げたのです。
①流動性の確保・・・株式分割をすると発行株式数が増えるので、流動株式数も増加
②株主数の増加・・・今まで手が出なかった投資家も買えるようになる
しかしながら、株式分割はメリットばかりではなく最近は株式併合(2株を1株にまとめて発行株式数を減らし、株価が倍になる)という、株式分割とは反対の手続きを取る会社もあります。
ここからは株式分割のデメリットについてです。
株価を研究していると、たまに『保有している銘柄の株価が何もニュースになってないのに、凄い値上がってる。』ということを思ったことはありませんか?
そんなときは、株式数が減少していないか確認してみてください。
これは「株式併合」といって株式分割とは逆のパターンが起きているのですね。
株式分割には、株式併合と言う逆の手続きがあるように実はデメリットもあります。
株式分割のデメリット
デメリット
株主管理コストの増加
株主管理コストの増加とは、株式を保有している方はわかると思いますが、株式を保有していると企業から株主総会の案内や配当金の案内などの書面が届いたりします。
これには印刷代や郵送代など少なからずコストがかかるのです。
今は保管振替機構と言う機関が儲けられ、株式も電子化された為それほどコストもかからないのですが、株主総会の会場も大きくしなくてはいけない可能性などもあり、全くコストに影響が無いとは言い切れないのです。
ましてや株券があった時代は只事ではなく、実際にlivedoorは上場廃止になる時には株券の発行コストが半端じゃ無いとニュースにもなっていたほどです。
株主の保有株式増加による一部売却の可能性増加
2つ目ですが、上記で「株式を分割すると価格が下がり買いやすくなるため、今まで買えなかった人が買えるようになる」と言う話しをしましたが、実は逆のパターンもあります。
今まで100株と言う最低取引単位しか持っていなかった株主が、株式分割で持株が200株(株価も半分になるため保有金額は変わらず)になると、「半分売る」と言う選択肢が選べるようになります。
すると買いたい株がある投資家は少なからずこの保有銘柄の一部売却を選択するようになるのです。
つまり、この一部売却を通して株価に下落圧力がかかるというわけですね。
①株主管理コストの増加・・・印刷代や郵送代などのコストの増加
②保有銘柄の一部売却・・・保有銘柄の一部売却を選択による下落圧力
まとめ
以上、株式分割についてのまとめでしたが、いかがでしたでしょうか。
livedoorの事件後から株式分割は正当な理由と判断されないと実施できなくなり、昔のような錬金術は出来なくなっています。
しかしながら、分割や併合を通して企業の考え(今後東証1部への鞍替えを考えているなど)が見えてくると、今後の株式取引がまた一つ面白くなると思いますよ。