リーマンショックの背景『ベアスターンズ買収劇』と『LIBOR』について

現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~

こんにちは、雅の株ブログで経済コラムを担当している霧島です。平素は私のコラムをお読みいただきありがとうございます。

経済コラム記事一覧はこちらです。

現在は100年に一度の経済危機と言われている『リーマンショック』について、何話かに分けて書いております。

【リーマンショック】
リーマンショック 第1話:当時の様子
リーマンショック 第2話:サブプライムローン
リーマンショック 第3話:証券化
リーマンショック 第4話:ベアスターンズ
リーマンショック 第5話:最後の10日間
リーマンショック 第6話:最後の3日間
リーマンショック 番外編:その後の経済

約10年前のリーマンショックの時に世界は未曾有の金融危機に見舞われました。

第3話に引き続き、このリーマンショックを紐解いていきたいと思います。




ベアスターンズ

ベアスターンズの買収劇は、正に電光石火の如く決まります。

リーマンショックが起きる約半年前に遡って、時は2008年3月にアメリカ第5位の証券会社が破綻の危機を迎えます。

それはベアスターンズと言う会社なのですが、多分多くの方が「ん?そんな会社知らないなー?」と感じていると思います。

実はこの会社は破綻する直前に買収される事が決まり、正確には破綻を避けることが出来ました。

この買収劇は正に電光石火の如く決まります。

 

ベアスターンズ買収劇

2008年3月13日、アメリカ連銀にベアスターンズから「融資を受けられなければ明日にでも破産法11条を提出しなければならない」と連絡が来ます。

ベアスターンズもリーマンブラザーズ同様にアメリカ証券業界ではゴールドマンサックスモルガンスタンレーメリルリンチに次ぐ証券大手の一角ですが、当時リーマンブラザーズ同様にサブプライムローンを多く扱っていました。

結果として焦げ付くサブプライムローンを抱えてしまい資金繰りが回らなくなったのです。

一年前まで120ドル程度で取引されていたベアスターンズの株価は、2ドルまで下がります。

まさに悪夢前夜の様相を見せるのですが、72時間でこのベアスターンズは銀行大手のJPモルガンに買収される結果となるのです。

電光石火の買収劇がこの時は最悪の事態を回避させましたが、この頃から金融機関の間では株価の下落や噂を笑い飛ばす余裕が無くなり「隣の銀行がいつ潰れるかわからない」という信用不安の状態になっていきます。

この影響はLIBOR(ライボー)と言う銀行間取引金利に現れます。

銀行間取引金利【LIBOR(ライボー)】

LIBOR

LIBOR(ライボー)とは銀行と銀行での資金融資に使う金利を指します。

銀行は資金を常に現金で持っているわけではないので、1日だけ資金を作る必要がある時などに他の銀行から融資を受けてお金を回しているのですが、その時にはこのLIBOR(ライボー)を基準として利率を決めるのです。

そんなLIBOR(ライボー)がこの時期から上昇していき、あからさまに銀行間でも不信感が出ている状態になっていきます。

銀行間でも不信感が蔓延している状況で、市場では「次のベアスターンズになる会社はどこだ?」という疑心暗鬼が蔓延していき、投資も融資も滞っていくのです。

リーマンに押し寄せる疑心暗鬼

破綻の危機

このような状況は遂にあのリーマンブラザーズへ押し寄せるのですが、初めは半年前のベアスターンズ同様に「あのリーマンは潰れないだろう」という楽観的な意見が先行します。

それは格付機関の格付が依然として高い状態が続いていたためでもあり、リーマンブラザーズと言うネームバリューの強さにありました。

またリーマンブラザーズの世界的な経営規模により「大き過ぎて潰せない」会社であるとの市場予想から破綻は有り得ないとの風潮もあったのです。

しかしながら結果はご存知の通り、リーマンブラザーズは経営破綻を迎えます。

なぜどこも買収しなかったのか?なぜアメリカ政府は見放したのか?

次はそんなリーマンブラザーズ破綻の前後についてお話ししたいと思います。

【リーマンショック】
リーマンショック 第1話:当時の様子
リーマンショック 第2話:サブプライムローン
リーマンショック 第3話:証券化
リーマンショック 第4話:ベアスターンズ
リーマンショック 第5話:最後の10日間
リーマンショック 第6話:最後の3日間
リーマンショック 番外編:その後の経済

最後まであ読み頂きありがとうございました。

執筆者

執筆者あいさつ

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