『買収予防策』日本の企業は買収されないために、どう予防するのか!?

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本日は企業の「買収予防策」について取り上げていきます。




企業の買収予防策

現在放送中の企業買収をテーマにしたドラマ『ハゲタカ』に見られるような買収劇には、そのような事態に対処するために「買収予防策」「買収対抗策」の対処法があり、以前コラムで紹介した「ホワイトナイト」は買収対抗策にあたります。

関連記事:ホワイトナイトとは?実例紹介

買収予防策はその内容を決めてから、株主総会での承認を得て設定がなされます。

内容としては、敵対的買収を仕掛けてくる企業にとって不利益になるような条件を事前に定めておいて、買収のハードルを上げて買収難易度を高くしたり、買収価値を下げるものなどがあります。

POINT
・買収のハードルを上げて買収難易度を高くする。
・自らの買収価値を下げる。

 

買収予防策などが多くの企業で取り入れられるようになったのは、ライブドア事件の後になります。

それまでの日本では株式は仲のいい企業で持ち合うスタイルがほとんどで、TOBを仕掛けられる心配など皆無だったのです。

しかしながら、時代の変化(大きな変化はバブル崩壊後)と共に持ち合いが解消されていき、日本にもTOBの話が出るようになったのです。

ではこの買収予防策をいくつか簡単に紹介したいと思います。

 

ポイズンピル

予め、買収があった時に新株を発行する条件を設定しておき、他企業が買収を仕掛けると他の株主に対して新しい株式が発行されるため株式の保有比率が低下し、過半数の株式取得を阻止する予防策。

これが実際に使用されたのは2007年のブルドッグソース買収事件です。

アメリカのスティールパートナーズと言うファンドの買収に対してブルドッグソース側が敵対的買収とみなしてポイズンピルを発動。

スティール以外の既存株主に対して新株予約権を発行し、スティールの保有株式比率を引き下げる事に成功したもの。(確か実際にはそうなる前にスティール側が撤退したと思います)

 

ゴールデンパラシュート

買収が発生し、経営者が解雇された際に役員などに対して多額の退職金が支払われるようにする予防策です。

大量の現預金が流出するため企業買収の価値を下げる事ができます。

 

黄金株

友好的関係企業に対して非常に強大な権利を持つ株式を付与しておく事によって、買収後に企業経営権を握らせないための予防策。

しかしながら、企業経営において他の株主の権利を大きく毀損させるものであるため反対意見も多い。

 

主要な買収予防策は以上のものになります。

ちなみにポイズンピルなどはアメリカではスタンダードな買収予防策のようです。

次回は買収対抗策について考えていきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

執筆者

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こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。