現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~
こんにちは、雅の株ブログで経済コラムを担当している霧島です。平素は私のコラムをお読みいただきありがとうございます。本年もこちらのサブコンテンツである『証券マンの経済コラム』の連載を頑張っていきますので、引き続き宜しくお願い致します。
2018年は良い意味でも悪い意味でもトランプ大統領が世界の中心だった相場でした。
さて、2019年の相場も1月4日から大荒れのスタートを切る事になってしまいました。為替は一時的に104円台まで円高が進行して、日経平均も大きく値段を下げましたが、皆さんは2019年の相場をどのように予想していますでしょうか?ここからは私、霧島が独断と偏見で今年の相場展開を考えてみたいと思います。
2019年の経済予想

まずは結論から言うと、日経平均は年末までに24,000円を付ける場面があると思います。ちなみに下値18,500円で、これを切って下がって行く展開は想定していません。そして、ドル円為替は110円から115円程度にいずれまた戻って来る想定です。ちなみに120円を超える円安は想定していません。(あったら嬉しいですが)
では何故この様な展開を予想しているのかと言うと、今後の世界イベントと国内イベントを見定めて、ある程度良い展開を期待してる面があります。
米中貿易摩擦
まず米中貿易摩擦についてですが、90日間の期間延長を受けて難航しているように見えますが、米中共にこの問題を長引かせてもメリットは無いのです。多分ですが今回の期間延長もトランプ大統領の交渉パターンの一つと捉えると、両国共に妥協点はすでに決まっていると考えています。
トランプ大統領にとっては今回の期間延長と言う決定が、マーケットには良い方向に考えてもらえると良かったと思いますが、あまり良好な結果にならなかったので、次回では何かしら進展があると考えています。(もし進展が無ければ厄介です)
イギリスEU離脱
次に来るのはブレグジット(イギリスのEU離脱)です。最近はあまり話題になってないですが、こちらも難航している世界イベントの一つですね。ブレグジットに関してはいくつか想定されるストーリーがあるのですが、最悪な展開である「無秩序離脱」に関しては想定していません。何故ならEUのどの国にとっても歴史的な汚点にしかならないからです。
プライドの高いイギリス国民がその選択を良しとする可能性はほぼ無いと考えています。確率の高いパターンとしては期限延長か、キッチリと話し合いをまとめてくるパターンですが、期限延長が妥協点だと考えていますので、この問題については一度イベントから外れると思います。ちなみに、もしかすると再度の国民投票の実施があるかもしれません。
参議院選・消費増税
次は日本で参院選があり、10月には消費税増税がありますね。これらは国政に関わるイベントになります。
まず、10月の増税は私の見解ではほぼ確実に行うと考えています。安倍首相が石破氏に勝った代表選後の議会演説で、首相は10月の増税実施を文言の中に入れてきました。これには過去2回実施を延長した事から「3回目の実施延長は無い」と言う強い意志の表れでもあります。
しかしながらマーケットがこの環境ではどうにもならないので、今年は増税前に景気刺激策が多く実施されると考えています。それに呼応して年金基金と日銀による資産買入で株価を下支えしていくと考えています。
ちなみに18,500円を日経平均の下値と予想したのは、この水準は日銀が保有している日経平均ETFの平均取得単価なので、ここを下回ると日銀は含み損を抱えることになりますので、この水準が日銀にとっての防衛ラインになると考えているからです。
以上の点から、相場の重しになったイベントが少しずつ解決していき、増税実施に向けた準備が進むのが今年の相場展開になると考えています。
と言うのがポジティブな予想で、こうなると想定はしていますが、不安要素もあります。それは「イールドカーブのフラット化」と言う現象です。昨年から少しずつ話には出ていますが、イールドカーブについてや、フラット化が何故不安要素なのかを次回確認していきましょう。