『PER』と『PBR』を使って割安株を探してみよう!

こんにちは、雅の株です。

このブログでも以前より何度もPERなどの指標の重要性について書いてきました。

近年の日本株式市場では、低PERが大事だという事は変わりませんが、それ以上にPBR(株価純資産倍率)の低い銘柄が買われているという傾向があります。

ここで改めてPER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)の役割や意味、また、現在の市場の低PERや低PBRの銘柄にはどんな企業が連ねっているのかを見てみましょう。




PER(株価収益率)

PERの計算式

●株価÷一株当たり純利益(EPS)=PER(株価収益率)

●時価総額÷総利益=PER(株価収益率)

と計算することができますが、基本的には証券会社の銘柄情報や決算短信などに掲載されています。

PERは日本の投資家にとってはかなり馴染みの大きい大切な指標で、株価の割安さをチェックするための指標でしたね。

普段のお買い物でも同じことが言えると思いますが、スーパーで良いものが高く売っていたり、「安かろう悪かろう」で安い値段でも品質がそれなりなら、良い買い物とは言えませんよね。一番理想的な買い物は、「良い品質のものを、安く買う」ということになります。

株式投資も同じで、優良企業だからと言って投資最適銘柄なのではなく、優良企業でなおかつ割安な企業が投資適格銘柄だと言えるのです。

 

PERの平均水準

15倍

よくPERの水準として考えらるのは、この『15倍』という数字です。15倍以下なら割安だと一般的には言われます。これは日経の過去の推移から見ても、世界的にマーケットの水準を見てみても、誤差はあるものの大方間違っていません。

しかし個別銘柄のPERを見るときに大事なことは、PERの数字だけで判断しないということです。平均PERの数値というのは業種ごとに全く推移が変わってくるので、同じ業種の他の銘柄や全体の平均値と比べることが大切です。

詳しくは↓の記事にまとめてありますのでご覧ください。

関連記事:PERとは

低PER銘柄分布 業種別

2019年1月現在、東証1部/東証2部/東証マザーズの市場には、PER15倍以下の銘柄が1471銘柄あります。

業種ごとに見てみると、

水産・農林業 4社
鉱業 3社
建設業 100社
食料品 31社
繊維製品 22社
バルブ・紙 10社
化学 122社
医薬品 8社
石油・石炭製品 12社
ゴム製品 12社
ガラス・土石製品 31社
鉄鋼 31社
非鉄金属 49社
金属製品 49社
機械 120社
電気機器 110社
輸送用機器 62社
精密機器 13社
その他製品 35社
電気・ガス業 13社
陸運業 28社
海運業 10社
空運業 4社
倉庫・運輸関連業 25社
通信業 69社
卸売業 158社
小売業 81社
銀行業 78社
証券業 18社
保険業 5社
その他の金融業 20社
不動産業 75社
サービス業 87社
その他 0社

この表を見てみると卸売業、機械、電気機器の業種に低PER銘柄が多いことが分かりますね。このように業種から銘柄を絞っていくというのも、株式投資の一つの戦略です。

上述したように、大事なことはPERだけで判断しないということです。割安で同じPERの企業が2社あったとしたら、その他の成長性や一株当たり利益などをしっかりと見極めて判断するように心がけましょう。




PBR(株価純資産倍率)

計算式

●株価÷一株あたり株主資本=PBR(株価純資産倍率)

PBRもまた、株価の割安度を測る鉄板の指標です。PERが企業の利益ベースで考えるのに対して、PBRは企業の資産価値ベースで考えます。簡単に言うと、株価が会社の資産価値よりも割安かどうかということです。

PBRについては↓の記事にまとめてありますのでご覧ください。

関連記事:PBRとは

 

PBRが1倍以下だと株価が『割安』と判断できる。

株主資本というのは会社の純資産から負債を差し引いたもので、会社の資産価値を表します。近年、この低PBRの銘柄が買われやすいというのがトレンドになっています。

しかし、これもまた注意が必要で、PBRの数値だけで株価の割安度を測ってはだめだということです。

PBRが1倍を割ったり、下がれば下がるほど規模の小さい会社ほど倒産や買収のリスクも高まるという側面もあります。PERと一緒に指標をみて判断するように心がけましょう。

低PBR銘柄分布 業種別

2019年1月現在の低PBRの業種別分布表です。東証1部/東証2部/東証マザーズの市場には、PBR1倍以下の銘柄が1370銘柄あります。

水産・農林業 2社
鉱業 6社
建設業 77社
食料品 36社
繊維製品 42社
バルブ・紙 15社
化学 114社
医薬品 9社
石油・石炭製品 10社
ゴム製品 12社
ガラス・土石製品 27社
鉄鋼 37社
非鉄金属 25社
金属製品 58社
機械 118社
電気機器 102社
輸送用機器 58社
精密機器 17社
その他製品 44社
電気・ガス業 13社
陸運業 21社
海運業 12社
空運業 1社
倉庫・運輸関連業 26社
通信業 30社
卸売業 162社
小売業 86社
銀行業 81社
証券業 18社
保険業 6社
その他の金融業 13社
不動産業 44社
サービス業 48社
その他 0社

卸売業、機械、電気機器に加え、化学の業種に低PBR銘柄が多いことが分かります。

PERの表と似たような数値になるのは、低PERで収益力や成長性がないと市場で見放されるため、低PBRになりやすいということ。

 

 

以上、PERとPBRの意味や業種分析でした。是非今後の銘柄選定の参考にしてみてください。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。