皆さんメルカリといえばスマホで簡単に物を売買できるアプリで一度は使ったことがあったり、使ったことがなくても聞いたことくらいはある有名なサービスですね。
そのメルカリが昨年10月4日に開催したMercari Tech Conf 2018において、メルペイの曾川景介CTOは、ブロックチェーン技術を用いていたプロトタイプ「mercari X」をコンセプトモデルとして開発していることを発表しました。
まだ社内のみのリリースで、一般公開の予定はありません。
メルカリにとってブロックチェーンとは
メルカリがブロックチェーン技術をどのようにとらえているのか、ということですが、
①改竄の困難性
②対検閲性
③非中央集権的
メルカリがブロックチェーン技術を採用する利点は、この3つを挙げています。
ブロックチェーンがもたらす変化とは
フリマアプリはブロックチェーンによって以下のような変化をもたらすのではないとか言われています。
①プラットホーム環境の変化
いままでは一つの大きなプラットホームを運営する企業があり、そこに多くの人が集中しますよね。多くの人が集まることで利便性が向上し、利便性が向上することによって更に人が集まります。そして人が集まることで更に利便性が向上するとう中央集権に人が集まり、1つのプラットホームに力が一曲集中するというのが現状のプラットホーム環境です。しかし、ブロックチェーン技術を用いるとプラットホームの中央集権的な管理が消えます。個人間取引が盛んになるようなプラットホームが生まれてくるというように考えられます。
②信用の形の変化
ブロックチェーンによって売買をする業者は運営会社の信用の元なりたっています。ようするに第三者機関の信用が必要不可欠だったのです。しかし、ブロックチェーン技術はブロックチェーン上の取引の改竄が困難という特徴があるため、第三者機関を信用する必要がなくなります。ようするに、個人の信用が取引の信用になるということです。
それではどのように個人の信用を評価していくのか、という点について。
信用の可視化
メルペイの代表取締役である青柳氏が「アリババのジーマクレジットのようなサービスを日本でも展開したい」との発言をされていました。信用の可視化とはどのようなところから情報を拾っていくのでしょうか。
・メルカリの取引データ
・メルチャリなどのシェアリングエコノミー利用データ
・予約データ
・与信情報
上記のようなものが信用データとして反映されると思われます。まさにいま、メルカリを利用している人も一つ一つの取引を丁寧にすることがいかに大切かわかりますね。

それではメルカリXとは何なのかを見ていきましょう。
『メルカリⅩ』とは??
メルカリⅩとはメルカリがブロックチェーン技術と独自の暗号通貨を使った新たなアプリサービスです。
ちなみにこちらのアプリ、社内で試験的に公開されていて、今のところ一般公開される予定はありません。
プラットホーム環境の変化や、信用の形の変化をアプリのなかでどのようにやっていくのかという課題がある中で考案されています。
主にできることは次の2つ。
・出品者と購入者の個人間取引
・スクローンマーケット機能(仲介をするためのアプリケーション)
これからのメルカリはどうなるの??
現在メルカリは10%の手数料をユーザーから支払ってもらうことによってすべての責任をメルカリが負っています。
それではメルカリⅩはどのようなビジネスの形をとっているのでしょうか。
一番の違いはインセンティブの部分です。お金が個人に対して動きます。
今まで不正の監視や取引を仲介することをメルカリから個人に変えていきます。
購入者は商品を閲覧した後、マッチングを行って出品者は商品を出品する。取引が成立すると仲介者に仲介料を払うという形で運用していくようです。
また、運送に関してもブロックチェーンを利用して商品が送られたか、無事届いたかを確認できるようなシステムを開発しているようです。
メルカリⅩの最大の特徴は独自通貨によってメルカリを通さずに直接お金を送って取引が進められていくというところです。
それではメルカリはどのようにマネタイズしていくのでしょうか。
メルカリにはエスクローを行う個人が存在しますが、その部分はメルカリが変わらず担当できる部分であります。メルカリは今まで通りの利益も得られるということです。
もちろんこれからすべてのユーザーがメルカリⅩを利用するのではなく、現在のメルカリも併用して使えるというスタイルを検討しているようです。