欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、イタリアの国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率が、2020年に3.5%になる見通しだと発表しました。
EU加盟国には財政赤字を3%以内に抑えるルールがありますが、これを再び外れる可能性があります。欧州委員会は財政規律の維持を促しますが、イタリア政府は財政出動などを主張しています。
両者の対立が深まれば欧州債市場などに影響が及びそうです。
2020年の話なので少し先の話になりますが、過去に欧州債務危機(通称ギリシャ・ショツク)があった際にも同様に財政赤字に対するEUルールがきっかけの一つとなっていました。
当時は特にPICSと言って、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの債務状況が大きく不安視されて、欧州状況に大きな影を落としました。
EUは現在このような債務状況の悪化のほかにもブレグジットや、移民問題など複数の問題を抱えており、依然として独立へ機運が高まっている地域もあります。
世界の通貨流通量の約2割はユーロが占めています。
いずれにしても影響力の大きい地域の内容なので、これを機会に過去のEUの成り立ちや問題、域内ルールなどについて少し調べてみると良いかもしれません。
ちなみにEU加盟国なのに通貨ユーロを使わずに自国通貨を使用している国がなぜそのようにしているのかも知っておくと便利です。