【経済コラム】行動経済学について その2

現役証券マンの経済コラム
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こんにちは、雅の株ブログで経済コラムを担当している霧島です。

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前回の記事で行動経済学について触れました。

関連記事:行動経済学について

本日は行動経済学について、もう少し踏み込んでまとめていきたいと思います。これを知っていることで、自分が活用できるような場面で使えることはもちろんですが、見栄えの良く見えるマーケティングに騙されることなく、合理的な判断が出来るようになります。




1. 一貫性の原理

この一貫性の原則とは「人間の行動は、その内容に関わらず行動や、発言などを一貫したものにしたいという原則が働く」ということを言います。例えば、定期購入しているサプリメントを飲んでいる人は、効果がないと思ってもそのサプリメントを定期購入し続けてしまいますよね。

また、これは営業手法でもフット・イン・ザ・ドアという手法としてよく活用されていて、まずは小さなお願いごとを聞いてもらうことで、より大きなお願い事をしても断りにくくするような考え方です。ドアに片足を突っ込んでしまえば商談が進みやすいということですね。

2. 現状維持バイアス

現状維持バイアスとは、現在の状況が変わることを恐れ、現状に価値を見出すことで新しい行動に躊躇する』ことを指します。ブラック企業を辞められないのもこんな力が働いているかもしれませんね。

この心理は「お試し期間」という形でマーケティングに活かされています。一度その対象物がある生活に慣れてしまうと、いざお試し期間が過ぎた時でも無いと困ると思ってしまいます。変えなくてはいけない行動習慣ほど変えられないものですよね。

3. 松竹梅の法則(極端の回避性)

選択肢が2つのとき、例えば、

・値段は安いけど使い勝手の悪い商品

・値段は高いけど使い勝手は良い商品

があるときは、人は自分の用途に合わせて合理的な判断が出来ます。

しかしながら、この選択肢に3つ目の選択肢が加わると、なぜか人は真ん中の選択肢を選ぶことが多くなるというものです。これをマーケティングで活かすには、実際に販売したいものよりも高いコストの商品を提案に加えることです。例えば、100万円の機械を売りたいのであれば、質の悪い50万円の機械と、質が良すぎる150万円の機械を一緒に提案することで、自然と100万円の機械を選択するようになると言った具合です。

この法則を活かすためにやってはいけないのは、4つ目の選択肢を用意することです。まず、価格帯が4つ以上になっても大きな変化は生まれないのと同時に、実は選択肢を多くすると人は「選ばない」という選択肢を持ちやすくなります。人は選択することに対して頭を使いたくないので、考えることが面倒になってしまうのです。

今回は3つご紹介させていただきましたが、このほかにもいくつかありますので、またタイミングを見て書いてみたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。