【経済コラム】行動経済学について

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こんにちは、雅の株ブログで経済コラムを担当している霧島です。

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今回は行動経済学について取り上げてみたいと思います。




行動経済学とは

皆さんは行動経済学という学問の分野をご存じでしょうか?

 

投資と行動経済学

過去のマクロ経済やミクロ経済のおける数式モデルの前提は「人は合理的に行動して、利益の最大化を目指すもの」という文言の上に成り立っています。例えば株式投資で例えるなら、ある指標から計算して株価が割安であると判断できれば人は株式を買付しますが、同じ指標から計算して株価が割高であれば人は売却の選択をするというのが当たり前の行動です。しかしながら、この大前提に異議を唱えたのが行動経済学という学問です。

 

ボランティアと行動経済学

経済学の前提となる人間像では「人は自分の仕事を休んでまでボランティア活動はしない」という人間モデルが出来上がります。しかしながら、実際には多くの人たちがボランティア活動に参加しているため、経済学上でいうと非合理的で利益の最大化に繋がらない行動をすることがあります。この行動に着眼したのが行動経済学で、行動経済学では人は常に合理的な判断が出来ないと考えています。

 

 

競馬と行動経済学

例えば、朝1番のレースから最終レースまで競馬に賭けている人を想定した場合、最終レースまですべてのレースを外した人が取るべき最終レースの賭け方は、「本命馬の購入」を選択して損失を少しでも取り返す方法になります。しかし、実際にレースに負けている人間が取る行動の多くは「大穴狙いの購入」となるわけです。

これはノーベル経済学賞をカーネマンという学者が提唱した「プロスペクト理論」というものに沿っており、「人は損失が発生していつ局面では賭けに出たがる」という行動と一致します。

 

 

トイレと行動経済学

この行動経済学を利用した仕組みが私たちの周りにも多くあります。

例えば、男性は多く見る機会があるかもしれませんが、ここ数年で男子トイレの便器の真ん中にダーツの的のようなシールや、ハエのシールが貼ってある便器が増えたと思いませんか?実はあのシールが貼ってあるだけで、人は何の利益も無いのになぜかそれを狙いたく心理が働きます。結果としてトイレの清掃に掛かるコストが大幅に縮小されたことが報告されています。

 

確定拠出年金と行動経済学

また、経済的な要素ではアメリカの401Kへの加入方法が挙げられます。

401Kというのは日本でいう確定拠出年金という制度であり、年金支払いの一部を自信の選択した運用へ振り分けることで年金運用を自信で行うことができる制度となります。しかし、以前のアメリカでは「就職時に401Kでの運用を選択すれば加入となるが、選択しなければ非加入として扱う」こととなっていました。

制度上は将来の試算運用としても有効で、税金対策にもなるのですが、加入者は少ないままでした。しかしながら、この加入制度を「何もしなければ自動的に401Kに加入し、非加入の申告をすれば非加入として扱う」と加入方法を変えたところ爆発的に加入者が増えた経緯があります。

 

ここで行われた行動経済学の理論は「現状維持バイアス(バイアス=傾向・先入観)」というもので、「人間は変化よりも現状を維持することを望む傾向にある」という心理を逆手に取った手法と言えます。

このようなものの他にも行動経済学では様々な理論があります。それらは調べてみると、さまざまなところで活用されているものばかりだと実感すると思います。行動経済学というよりは行動心理学というほうが正しいかもしれませんが、次回はいくつかこの理論についてご紹介してみたいと思います。

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こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。