皆さん、こんにちは。本日の経済コラムです。
今回のG20終了後に、今までの日韓関係を覆す政策が日本から韓国へ向けて発信されました。多分ですが、安倍首相はこの内容を事前に各国首脳人には伝えていたかもしれませんが、個人的には米中交渉再開、トランプ大統領の突然の米朝会談に次ぐサプライズです。
今回のG20が終了して間もないタイミングで、日本は韓国に対して「半導体材料の対韓輸出規制」を行うことを検討していると発表しました。まだ調整段階みたいですが、早ければ7月中には実施される可能性も高いと考えられます。
韓国と日本政府は以前から徴用工問題の賠償判決などで溝が深まっていましたが、5月末に6月1日からの、※韓国水産物輸入に対する輸入検査強化などの対抗処置に対しても反応がない韓国に対して圧力に本腰を入れ始めたと言えます。
(※韓国から輸入される水産物に対してのウイルスや病原菌等の検査の基準を引き上げする処置で、検査に時間とコストがかかるため実質的な輸入量を減らしていく効果がある。)
今回の輸出規制で対象となるのは、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、エッチングガスと呼ばれる三品目で、実質量の輸出を絞るわけではなくて、韓国からの輸入許可に対して今までもよりも煩雑な工程を踏ませる内容です。(今までは一括申請だったものを、個別申請を要する形に変更)
韓国はサムスン電子や有機ELなどに強いLGなどの企業を有しているため、この輸出規制は韓国にとっては打撃の大きい話になりそうです。またこの対象となった材料は日本が世界シャアの9割を持っているようであり「簡単に代替輸入先が見つけられない材料」というバックグラウンドを秘めています。
今回の輸出規制の他にも、軍事転用される可能性のある先端技術や電子部品などの輸出についても、規制を厳しくしていくことも検討されています。「ホワイト国」という友好国として地位から韓国を外して、今後軍事転用が懸念される先端技術や電子部品などを輸出する際は、今まで免除されていた申請を行うことが必要になるわけです。
ホワイト国から外すことはかなり踏み込んだ規制になりそうですし、北朝鮮への対応である程度は協力しなくてはいけない国なので国際世論的にも難しいかもしれませんが、半導体材料の規制はこのままの韓国の対応では免れないと思うので、韓国経済と政府対応に注目が集まります。