皆さんこんにちは、本日の経済コラムです。
2019年7月23日日経新聞朝刊「クジラ、円高抑止に限界? GPIF、資産構成を来春見直し 需給面の支え揺らぐ」より
参院選を通過した国内のマーケット環境は、無難に与党の勝利で終わったため小幅な動きとなっています。
マーケットは次の変動要因を探す展開となっており、改めて安倍政権の政策が意識されています。
このなかで2020年春までに資産構成を見直すGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の動向が注目されています。
GPIFはこれまで積極的な海外投資による円売りドル買いで、日本の円安を誘導する展開を作って来ました。
今後はこのまま海外投資を増やしていくのか、それとも為替リスクを考えて海外投資を減らしていくのかの選択によって、市場が大きく動く可能性があります。
GPIFは現在約160兆円の運用資産を保有しており、その莫大な運用資産から市場では「クジラ」と表現されています。
2014年に運用資産の見直しを行い、積極運用に転じた際には海外株式と海外債券の保有比率を資産の40%まで高めました。
結果として大きなドル買い圧力が発生し、円安を促す展開となりました。
毎年6%の運用利益を想定したポートフォリオを組んでいるGPIFが、運用益を取れない国内債券を増やすとは考えにくいですが、資産全体が円高に弱い資産構成になっていることも事実なので、資産構成の見直しが今後日本のマーケットにどのように影響してくるのか注意が必要です。