皆さんこんにちは、本日の経済コラムです。
8月のマーケット環境を変化させる可能性のあるイベントとして、8月22日~8月24日にアメリカのワイオミング州にあるジャクソンホールで開かれる経済シンポジウム(通称・ジャクソンホール会議)について解説していきます。
経済シンポジウム(通称・ジャクソンホール会議)
アメリカで8月下旬に毎年行われているこの会議は、主要国の中央銀行総裁や幹部、または政治家や、著名な経済学者などが集まる会議であり、世界経済や金融政策について議論を交わす場となっています。
この会議が世界経済の重要なポイントとなったことが多かったことから、毎年マーケット参加者の中でも注目の会議となっています。
ジャクソンホール会議では、
■2010年・・・当時のバーナンキFRB議長が量的緩和政策の第2弾(QE2)の発動を示唆
■2014年・・・ドラギECB総裁がユーロ圏の金融緩和を示唆 ■2016年・・・当時のイエレンFRB議長が早期の利上げについて言及 |
など、様々なイベントを発生させてきました。
2010年の会議では、当時の日銀総裁であった自川総裁はアメリカの量的緩和第2弾の発動の示唆を受けて、予定を1日早めて帰国し、緊急日銀会合を開いて新型オペレーションの対応を取るなど、市場へのメッセージが高い発言がある会議となっています。
今年のジャクソンホール会議

今年の傾向としては各国が利下げの正当性を主張する会議になる可能性が高いです。
注目される点としては、金融緩和について主要国などから踏み込んだ発言があるかどうかという点になってくると思われます。
ちなみに昨年はパウエルFRB総裁が利上げについて踏み込んだ発言があるとの事で注目されましたが、今年は利下げについて踏み込んだ発言があるかもしれません。
パウエル議長が「予防的な利下げ」という言葉を使って、利下げサイクル入りを否定しましたが、市場では早くも9月に追加で利下げする可能性を予想する声が上がっています。
タイトルの回収となりますが、今回のジャクソンホール会議の注目点は、
●米欧日の中で先行して利下げを行ったアメリカが、今後も利下げを継続するような発言がでるのか
●EUはマイナス金利の深掘りを行うのか
●これらの行動を受けて日銀がどのように対応するのか
の3点だと考えています。
新興国を含めて利下げ競争になりつつある今、利下げの選択肢を日銀が本当に取れるのか、日銀にとっては難しい状況が続きそうです。