【図解】GDPの基礎知識をわかりやすく解説

ニュースなどでよく聞く、『GDP(国内総生産)』

実は何のことかよくわかってない人にも、図を使って分かりやすく伝えられるようにまとめていきたいと思います。

この記事で分かるGDPに関する知識は目次の通りです。




GDPとは

 

GDP
-国内総生産-

 

GDPとは簡単に言うと、

●その国の経済の大きさ、また経済活動の水準を知るためのデータ。

●一定期間の間に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の総額。

と覚えると良いでしょう。

 

例えば、

・農家がじゃがいもをお菓子メーカーに30円で売る
(付加価値=30円)

・お菓子メーカーがジャガイモをポテトチップスに加工して小売店に100円で売る
(付加価値=70円)

・小売店が消費者に150円で売る
(付加価値=50円)

このときのそれぞれの付加価値を合計すると、

30円+70円+50円=150円

こんな感じで、国内で生まれた付加価値を全て足していくとGDPになります。

 

GDP(国内総生産)とGNP(国民総生産)

ちなみにGDPとよく似た指標で、『GNP(国民総生産)』という指標もあります。

GDPは「国内」で生産されたもので見るのに対して、GNPは「国民」が生産したものでみる指標のことをいいます。

 

例えば、元サッカー日本代表の中田英寿は現役時代イタリアのセリアAというリーグでプレーしていました。

この時のピークの年棒は約4億円と言われているのですが、この4億円は日本国民である中田英寿が日本ではなくイタリアで得た報酬になるため、GDPに入らずGNPに入ることになります。

 

ちなみに現在はニュースなのでもよく聞く通り、その国の経済の成長率や他国との比較をする際は、『GDP(国内総生産)』を主に用います。

 

GDPと所得(所得)について

 

GDP(付加価値の合計)=所得(分配)

 

↑で、付加価値のトータルがGDPであると説明しましたが、次にGDP=所得の合計になるということを説明していきたいと思います。

 

その国の企業などが様々なモノやサービスを生産し、そこから原材料などの金額を差し引いた金額のことを付加価値と言います。

そしてその付加価値は、賃金や税金、配当金として分配されたり、残った金額は企業の利益になりますよね。

図にするとこんな感じです。

 

要は受け取る側からすると『所得』ということになるわけで、つまり付加価値というのはそれぞれの部門の『所得』になるわけです。

ということは、付加価値の合計(GDP)=所得の合計となります。

 

三面等価の原則

GDPを学ぶうえで必ず出てくるのが、この『三面等価の法則』です。

↑でGDPと所得の関係について触れましたが、これに加えて『支出』についても考えていきます。

『支出』というのは、その国の消費者や企業が消費した金額の合計のことで、消費額というのはそのまま生産額になると言えるため、【総生産=総支出】が成り立ちます。

 

ということはこの図のように、

GDP(生産)=GDE(支出)=所得(分配)

という図が成り立ちます。

これを『三面等価の原則』と言います。


直近のGDPデータ

それでは実際の数値を簡単に見てみましょう。

まずは2009年以降10年分の日本のGDPです。

2009年 5,231,383
2010年 5,700,099
2011年 6,157,458
2012年 6,203,212
2013年 5,155,716
2014年 4,850,414
2015年 4,389,476
2016年 4,926,668
2017年 4,859,951
2018年 4,971,929

ちなみにこちらの表の金額の単位は百万USドルとなりますので、例えば2018年でいうと約5超ドル(円換算で約540兆円)ということになります。

凄く大きな額ですよね。

 

ちなみに日本のGDPもこれだけ大きな額になるわけですが、他国と比べてみるとどうでしょうか。

2018年の上位5位までの比較表を出してみると、

1位 アメリカ(20,494,050
2位 中国(13,407,398
3位 日本(4,971,929
4位 ドイツ(4,000,386
5位 イギリス(2,828,644

・世界の名目GDP 国際比較統計・ランキング。
・各国の名目GDPと国別順位を掲載。
・単位は百万米ドル。
・IMF統計に基づく名目ベースのGDP(国内総生産)総額。
・米ドルへの換算は各年の平均為替レートベース

 

という感じになり、日本は第3位の経済大国ということになります。

 

経済成長率

最後に経済成長率について簡単に触れておきます。

経済成長率というのはここまで解説してきた『GDP』を用いて指標とするものです。

通常は1年ごとのGDPの数値を使用し、年毎の増加率のことをいいます。

 

ちょっと難しいですが、ここで使われるGDPには2種類あり、

■名目GDP(名目値)・・・当時の時価を合計したもの

■実質GDP(実質値)・・・ある基準期間との比較を用いたもの

という2種類があることを覚えておいておくとよいでしょう。

基本的には経済成長率を求める場合は、実質値のGDPを使います。

 

ちなみに計算式は、

実質経済成長率(%)=(本年度の実質GDP-前年度の実質GDP)÷前年度の実質GDP×100

となります。

今はググればすぐ出てきますし、GDPを入力すれば経済成長率を計算してくれる計算サイトまでありますので、計算式を覚える必要はないと思いますが参考までに。

 

最後に

始めて日本のGDPなどをみる方は、『お、日本も結構やるじゃん。』と思う方もいるかもしれませんが、日本は数年前まで2位だったんですね。

他国もガンガン経済成長しているなか、日本の未来はどうなっていくのでしょうか。

GDPについてのまとめ記事でした。

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こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。