本記事では『金融市場』について図等を使って解説していきたいと思います。
一概に金融市場といっても、細かいところまで覚えようとすると膨大な量になってしまうので、一般的な金融の知識として覚えておいた方がいいところをまとめます。
この記事で学べる内容は下の項目の通りです。
金融市場とは
金 融
-Finance-
『金融市場』という言葉は、よくニュースや新聞などで聞くと思いますが、これは『場所』と考えてくれていいと思います。
どんな場所かというと、資金を供給したい人から資金を調達したい人へ、資金を融通する場所のことです。
そして、資金を調達した人が供給した人に支払う使用料のことを『金利』といいます。

金融市場は、取引される資金の満期が1年以下か1年以上かによって、『長期金融市場』と『短期金融市場』に分かれます。
そして、それぞれの市場のなかでもさらに細分化されます。

■短期金融市場・・・『インターバンク市場』と『オープン市場』
■長期金融市場・・・『公社債市場』と『株式市場』
と別れていきますので、それぞれどんな市場なのか簡単に触れていきます。
短期金融市場
短期金融市場は、資金の満期が1年未満の取引が行われています。
そして短期金融市場の中でも、
■『インターバンク市場』・・・金融機関のみが参加
■『オープン市場』・・・一般事業法人が参加
この二つに区分されます。
インターバンク市場
インターバンク市場というのは、金融機関のみが参加する市場で、日本銀行による金融調整が行われます。
国内の金利を大きく左右するため、経済にとってとても重要な役割をもちます。
インターバンク市場は『コール市場』『手形売買市場』の二つの市場で構成されています。
コール市場で代表的な取引が『無担保コール翌日物』です。
これは無担保で資金を借りて翌日に返済する取引のことで、この取引に適用される金利を『無担保コール翌日物金利』といいます。
この金利は現在の日本銀行の政策金利としても機能しています。
オープン市場
インターバンク市場が金融機関のみの市場なのに対して、オープン市場は一般の事業法人も多く参加します。
金融機関や証券会社、外国企業、公的機関などが参加している短期金融市場というわけです。
オープン市場を構成する要素としては、
■CD(譲渡性預金)市場
■CP(コマーシャルペーパー)市場
■TB(割引短期国債)市場
■FB(政府短期証券)市場
に分かれ、売買する短期国債などによって区分されます。
『CD(譲渡性預金)レート』という金利がオープン市場の代表的な市場です。
長期金融市場
短期金融市場は取引満期が1年未満だったのに対して、満期までの期間が1年以上の取引を行う市場を長期金融市場といいます。
長期金融市場は、『公社債市場』と『株式市場』の2つの市場で構成されています。
■公社債市場・・・国債や社債が取引される
■株式市場・・・株式が取引される
長期金融市場を代表する利回りは、公社債市場で取引されている『新発10年長期国債の利回り』です。
この銘柄の値動きが、市場全体の大きな指標として機能しています。
金融政策
ここで『金融政策』について触れておきたいと思います。
金利も為替も株式もなんでもそうですが、市場に全てを委ねてしまうと、上がりすぎたり下がりすぎたりすることがあるため、経済成長も為替レートも金利も全く安定しなくなります。
そういったことを防ぐために、日本銀行が国のために行う金融の政策のことで、物価や金利の安定や経済成長の維持を保っているのです。
金融政策の手段
それでは金融政策の手段にはどんなものがあるのでしょうか。
金融政策には、
■公開市場操作
■支払準備率操作
■基準割引率および基準貸付利率操作
があります。
●公開市場調査の売りオペレーション

売りオペレーションは、日銀が民間の金融機関に債権などを売却し、市場から資金を回収することを言います。
この売りオペレーションを行うと、金利を上昇させることができます。
●公開市場調査の買いオペレーション

逆に買いオペレーションは、日銀が民間金融機関から債権などを買い上げることによって、資金を市場に供給します。
これにより金利を緩和させることができます。
●基準割引率および基準貸付利率操作
基準割引率および基準貸付利率操作とは、簡単に言うと日銀が民間の金融機関にお金を貸し出すときの金利を調整することをいいます。
仮に、日銀が民間の金融機関にお金を貸し出すときの金利を上げれば、銀行が企業や個人にお金を貸し出すときの金利も上昇します。
いかがでしたか?
ざっと金融市場についてポイントを開設してきました。こんな感じで経済は成り立っているんですね。
最後までお読み頂きありがとうございました。