本記事は、外国為替についての基礎知識についてです。
『円安』『円高』という言葉をよく耳にすると思いますが、そういった言葉についてや為替レートが自国の貿易に与える影響などについてまとめていきます。
外国為替市場
経済関連においても『市場』という言葉がよくできますね。
株式を売買する場所を『株式市場』といいますし、債券などを売買する場所を『公社債市場』などと呼びます。
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それでは外国為替市場とはどんな市場かというと、簡単に言うと円やドル、ユーロ、ポンドなどの異なった通貨を売買する場所のことを言います。
外国為替市場は以下の二つの市場で成り立っています。
インターバンク市場 | 銀行などの金融機関が取引を行う。 |
対顧客市場 | 輸出入業者や機関・個人投資家が銀行との間で取引を行う。 |
一般的に外国為替市場というと、インターバンク市場のことを指します。
為替レートの考え方
次に円高と円安についての考え方です。
次の図をご覧ください。

■円高・・・外国通貨に対して円が高くなっている。(ドル安)
■円安・・・外国通貨に対して円が安くなっている。(ドル高)
ということになります。
為替の変動要因
ご存知の通り、為替レートというのは常に変動します。
ですので売買したり、旅行で換金したりするときは、例えばドルが『今』『いくら』なのか、把握することが大切ですよね。
それではなぜ為替は変動するのでしょうか。そこには様々な要因があります。

■ファンダメンタル要因
その国の経済成長率、インフレ率、国際収支、原油価格の動向、またはその時々の時事問題など。
■需給要因
為替のインターバンク市場における需要と供給の関係。機関投資家やヘッジファンドの売買や通貨当局の介入など。
■政策要因
各国の為替法の改正や税制の変更、先進国首脳会議など。
■各国金利差要因
各国の金利の動きによって、より高い収益を求めて資金は国境を越えて移動していきます。この資金の移動は為替相場に影響を与えます。
貿易と為替レートの関係について
日本企業が他国にモノを売ったり、逆に他国からモノを買ったりするとき、為替レートとはどういった関係があるのでしょうか。
輸出の場合

基本的に日本の輸出が増加すると、円高に進む要因と考えられます。
貿易というのは基軸通貨である米ドルで行われるため、売上は米ドルで受け取り、その米ドルを円に交換するため円が買われ、円高になります。
輸入の場合

逆に輸入の場合は、代金を米ドルで支払うため、米ドルが買われます。
その為、基本的には円安(ドル高)に進む要因と考えられます。
ちなみに円高が進むと輸出企業にはマイナスになっていきます。
なぜなら米ドルで受け取った売り上げは、円高(ドル安)になるため、円ベースで見ると価値が減少するからです。
逆に輸入企業は米ドルで商品を購入するわけですから、円高(ドル安)になればなるほど安くドルを手に入れることができるため、結果的に安くモノを輸入できるということになります。
これらの考え方は個人が海外旅行するときなどでも共通する考え方ですので、覚えておくとよいでしょう。