こんにちは経済コラムを担当しております霧島です。
東芝機械へ旧村上ファンドを中心とした3社がTOBを仕掛けましたね。その前は東芝とHOYAがニューフレアテクノロジーを巡ってTOB対決と、ここ最近はTOBによる企業買収案件が増えているように感じます。
■Jフロントによるパルコ買収
■ヤフーによるZOZO買収 ■東芝によるニューフレアテクノロジー買収 ■旧村上ファンドによる東芝機械(⇒東芝ではありません)買収 |
など、かなり短いタームで大きな買収案件が発生しています。
特にニューフレアテクノロジーを巡るHOYAと東芝のTOB合戦ではニューフレアテクノロジー株式の15.8%を握る東芝機械の動向が注目されましたが、結果はHOYAよりも安い株価を提示していた東芝側のTOBに参加しました。
「東芝と親子企業だったら親の方針に従うのは当たり前」と感じている方は、ぜひ東芝機械の大株主一覧を見てください。現在の東芝と東芝機械の間に親子関係は資本上ありませんので、東芝機械としてはニューフレアテクノロジーの株式をHOYA側で参加することもできたのです。
もしかしたら、旧東芝グループとして「昔からの繋がりで・・・」とか言う、オープンではない話し合いがあったのかもしれませんね。
そして、今回そんな東芝機械に対してTOBを仕掛けたのが旧村上系のファンドであるシティインデックスイレブンスです。ちなみに東芝機械の大株主で1番上にあるオフィスサポートという企業も旧村上ファンド系であり、昨年にレオパレス21の全取締役の解任を求めている案件についても旧村上ファンド系のレノという企業ですので、企業名は違いますが全て村上氏の影響力があると思って下さい。
東芝機械に関しては以前から内部留保の適切な活用を求めてきましたが、全て無視されてきたようであり、今回の東芝機械がニューフレアテクノロジー株式を東芝に売り渡したことで100憶円程度の資金が入るため、その有効活用についても焦点になってきそうです。
このTOBに対して東芝機械は取締役会等のレベルで第三者への新株予約権の発行による買収防衛策を取ってきましたが、「株主価値の希薄化に繋がることを株主総会無しに行うのは暴挙」として村上氏も対抗するようです。
村上氏の得意とするのはコーポレートガバナンス(企業統治)で「企業は誰のものか?」という争点になれば勝機はあるかもしれませんね。その点でホワイトナイトとなりそうな東芝がニューフレアテクノロジーのTOBで資金を使ってしまっていることも村上氏にとっては良い追い風かもしれません。
結果がどうなるかわかりませんが、企業再編とTOBは今年の注目ワードかもしれません。