【ESG投資-後編-】『ESG』と『SDGs』株価に与える影響について

こんにちは経済コラムを担当しております霧島です。

さて、前回『世界の投資家が注目しているESG投資とは』という題名で過去のESG投資を振り返ってみました。

関連記事:世界の投資家が注目しているESG投資とは

今回は後編ということで、現在のESG投資とこれからのESG投資について触れていきたいと思います。




ESG投資とSDGs

昨今になって再度このESG投資が注目を集めつつあるのは皆さんもお気付きかと思います。

もしも「ESG投資なんて最近あった?」と思った方がいたらSDGsと合わせてお調べいただけたらと思います。

ESG投資・・・環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のことです。

E環境(Environment)

環境に配慮(二酸化炭素の排出量が多くないか、環境汚染をしていないか、再生エネルギーを使っているかなど)

S社会(Social)

社会に貢献(市域活動への貢献、労働環境の改善、女性活躍の推進など)

G企業統治(Governance)

収益を上げつつ、不祥事を防ぐ経営

 

ESG投資とはざっくりこんな感じでしたね。

実はESG投資は15年前くらいからあった話は前編でしましたが、ここにきてESGに関わる形でSDGsという言葉が多くでるようになってきました。

これは、2015年に国連で採択された2030年までに達成すべき国際社会共通目標を指しています。

実はSDGsはMDGsという2000年から行ってきた国際社会共通目標の派生であり、MDGsでは2015年までに8つの目標を持って取り組まれてきました。この共通目標が期限を迎えたことで新しくSDGsとしてスタートを切った形となります。

SDGsの17の目標

■SDGsの17の目標

1、あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

2、飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

3、あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

4、すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5、ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

6、すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

7、すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する

8、すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

9、強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

10、国内および国家間の格差を是正する

11、都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

12、持続可能な消費と生産のパターンを確保する

13、気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

14、海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

15、陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

16、持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

17、持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

SDGsは上記の17の目標と、これに対する169のターゲット区分から構成されており、以前よりも明確な行動目標が置かれています。

また、法的な拘束力はないのですが、企業や地方自治体レベルで参加をしていることから、率先して参加している金融機関などから「SDGsに対して協力的でない事業へは融資が出にくい」という追加要素もあったりするため、囲い込みによる拘束力の強さがあったりもします。

ESGが株価に与える影響

上記のような状況の中でSDGsの目標に対して大きく貢献し得るESG投資は成長性として非常に魅力的なほか「ESGに配慮しない企業は投資対象から外す」という機関投資家も出てきたことから「ESGに配慮しなくては株価下落につながる」ことになってきているのです。

なかでも一番大きなインパクトがあったのは、米最大手運用機関のであるブラックロックが投資によって温暖化対策の推進を行うことを発表しESGに配慮のない企業への投資抑制を行っていく方針を明らかにしたことで化石燃料を扱う企業に対して衝撃を与えました。

機関投資家の投資対象から外れるという大企業にとっては死活問題な状況がこれにより浮かび上がったのです。

「ESGに寄与しない=株価下落」の構図が明確になったことで、ESGへの寄与は絶対条件になりつつあります。

この状況は2030年まで続くので「ESG投資=儲かる」ではなく、「ESGを気にしないことが損失につながる」可能性を皆さんもお持ちください。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。