NY原油先物が市場初めてマイナス価格に沈み、世界的な原油貯蔵の限界が近づきつつあります。
本日は、そんな原油市場のなか、原油ETFを買うべきなのかどうか、そしてその際に注意すべくポイントを解説したいと思います。
原油先物がマイナスの理由

まずは原油先物のマイナス価格について説明すると、内容は皆さんの思い描いている通りで、原油先物を買うと原油と一緒に現金ももらえるという何とも面白い異常事態が起こっています。しかしながらこの件について更に掘り下げると、このマイナス価格の理由も頷けます。
今回NY原油先物取引において価格がマイナスとなっているのは5月物であり、6月物や7月物はプラス圏で推移しています。
この5月物というのは先物の決済日が5月にあるということで、買った分の原油が5月に現物で決済されるのですが、現在世界の原油貯蔵庫が満タンになってきている状態であり、自身が空の貯蔵庫を所有しているか、現物原油を誰かに高値で保管してもらえなければ、市場で投げ売るしか選択がなくなります。
このため、保管に関してもコスト増と保管期間の長期化の可能性が高いという理由があるのです。
原油ETFを買うべきか
では、今の下落を逆手に取って原油ETFを買いに行くべきがどうかについてですが、個人的な結論から言うと買い向かっていいのでは、と考えています。
しかしながら、それには分割的且つ、投資余力を十分に持っての投資が必要かと思います。はっきりと言えることは、とてもリスキーで、投資ではなく投機になるということを十分理解したうえで臨む必要があるということです。
特にこれはチャンスタイミング(機会)へ投げることの理解は必要であり、自身の考え通りに行かなければ損切する覚悟が必要です。
原油ETFの注意点
ここまでリスクについて煽りましたが、今後新型コロナウイルスが落ち着いた後の通常状態への回帰の中では、今後一番伸びる可能性のあるものであると考えていることも事実です。
超長期で見れば原油需要などは衰退していくことは間違いないと思いますが、現在の世界ではまだまだ原油に依存しなくてはいけない状況は変わりません。世界の飛行機や車、船舶がいきなりクリーンエネルギー仕様になるのは考えにくいですよね。
そして、この原油ETFへの投資で気を付けることは、
①OPECプラスの状況の変化
②アメリカ経済とシェールオイル企業の動向
③新型コロナウイルスの長期化懸念
といった所だと考えます。
特に②のシェールオイル企業の動向に関しては、オイル産出企業が連鎖破綻していくアメリカ経済にとって最悪の展開では大きな価格の変化があると考えられるので注意が必要です。
これらに注意しながら、自身の判断で飛び込んでみてください。
投資は自己判断であり、もしこの記事を読んだあなたが数か月後に利益を出していても、それは私の力ではなく「飛び込んだあなたの勇気の力」だと思ってください。