新型コロナウイルスが世に出回り始めてから約4カ月が経過しました。世界経済の停滞により多くの世界的企業に窮地に立たされると同時に、新型コロナウイルス終焉後の新しい世界の中で期待される企業が頭角を現してきました。
このような中で、バークシャー・ハサウェイの会長であり、著名投資家であるウォーレンバフェットによる株主総会が行われ、バフェットの動向が少し見えてきました。
バークシャー・ハサウェイの株主総会
バークシャー・ハサウェイの株主総会はとても注目される会であり、その様子やバフェットの回答は、しばしば今後の株式市場を占うイベントとされています。今回は新型コロナウイルスの厳戒態勢下ということもあり無観客総会となりましたが、内容としては衝撃的な内容の総会となりました。

まず、バフェットの投資の基本は長期投資であるため、基本戦略はバイ&ホールドなのですが、今回の総会大きな話題となったのが「航空株式の全売却」でした。投資理論で説明がつかない投資を嫌うバフェットの銘柄の中で、航空株式はバフェットお気に入りとされており、実際に今年になってからも買い増しをしていました。
しかしながら、その投資を「間違っていた」と自身の選択を否定し、保有していたアメリカ航空会社4社の株式の売却をしたことを報告しました。
そして、バフェットは今後の世界情勢の構図を語るのです。
今までのような乗客数が戻るかわからない
まず、バフェットは前提としてアメリカ経済に対しては強気の姿勢であることを説明しました。しかしながら「航空産業に対して3~4年後に今までのような乗客数が戻るかわからない」と悲観的な見方を示すのです。

これは私の勝手な想像ですが、人の移動は旅行やビジネスなどの理由があって成立する分野ですが、今回の新型コロナウイルスで「人は移動しなくても繋がることが出来る」と証明されれば、少なくともビジネスでの移動は現在よりも低下しますし、そもそも他国へ出るリスクというものが際立った今回の結果は、人の移動を制限する鎖となる可能性が高いと考えたからかもしれません。
また、米国の石油関連企業に対しても悲観的な見方をしており、今後エネルギー関連企業の破綻や、業績回復の遅れを示しました。ちなみに、原油価格は石油開発企業が破綻すればするほど生産量が落ちる可能性があるため石油価格は上がるかもしれません。
以前、保有株式銘柄の見直しということを話しましたが、その点から考えるとバフェットは2つ目に伝えた「業績回復までの期間が想定できるか」という点に疑問を持ったため投資をやめたということになります。
そして、今回の記事で伝えたいことは「バフェットでも間違える」という点と「損切りは素早く、大胆に」という点かと思います。買付するときに様々な事を調べる人が多い中、損切りに関しては調べた結果が悪くても希望を持ってしまう人がほとんどです。
投資に関しては15年程度の経験がありますが、この判断力と行動力が求められるのが投資だと強く感じたニュースでした。