【経済コラム】実は大きな香港市場

香港の特別優遇の廃止の意向

香港に対する国家安全法の適用が全人代で議論されたことにより、その他先進国がこの行動を批判し、トランプ大統領が「香港の特別優遇の廃止の意向」を明らかにしました。

ここで、改めて香港の経済規模について確認すると、香港の経済規模は人口470万人ながら貿易規模は世界7位に位置しており、アメリカ企業の約1300社が進出している大経済圏で、アジア中枢部への貿易の架け橋となっています。

また教育水準も非常に高く、世界大学ランキングでも香港大学は日本の東京大学よりも上位につけており、アジア圏の大学ランキングではトップ10に2つの大学がランクインしています。そして、その一人当たりGDPは日本の約1.5倍程度あり、多くの面において世界的に大きな意味を持つ国となっています。

 

今回のトランプ大統領の行動は、主に香港が資本市場経済の体制を有していたからこその特例を廃止するものであり、香港に認められてきた貿易や関税の特例を撤廃し、中国本土と同等の水準にしようとするものです。そして、これは中国とアメリカの貿易を間で取り持ってきた香港にとって大きな打撃になる可能性は高く、進出しているアメリカ企業などが拠点をシンガポールへ移す準備を進めているという噂も流れてきています。

もちろん、アメリカにとっても被害は大きくなると見込まれており、アメリカ製品を中国本土へ流れないようにする貿易処置を行うと、必然的に香港に進出するアメリカ企業への輸出も同様の処理をしなくてはいけなくなるため、トランプ大統領にとっても諸刃の剣になる可能性が高くあります。

 

今後の株価の動き

さて、今回の決定でアメリカと中国の対立が深まるようであれば、世界的な回復基調は崩れる可能性が高く、本格的なサマーシーズンに向けて経済活動の減速が、相場の下落要因となり、株価を押し下げる展開となる可能性が高くあります。

また、各地で懸念されているコロナウイルスの第2波の可能性や、アメリカのマイナス金利化など、直近の話題が多く残されている状況ですので、一つ一つの事象をしっかりと確認してマーケットに取り組む必要が強くなっています。

 

今週は米中問題が改めて取り上げられる可能性が高くあり、先週の上昇で、どこかで売り圧力をかけたい勢力が売り材料を探していると思われますので、前半は注意が必要ですそして、この話題が尽きたころには改めてコロナウイルスに戻る可能性もあるので上値追いは慎重に行くべきかと考えます。

スポンサーリンク

これから学びたい初心者向け!
YouTubeの株式投資勉強チャンネル開設!

10分間で学ぶことができる株の勉強チャンネルを開設しました。株の基本的な知識や考え方について動画で発信していきます。

ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。