上昇基調だったマーケット環境から一転して、再度下値を模索する展開に変わろうとしている現在の状況において、日経ヴェリタス(個人投資家向け週刊新聞)では数週間前にお伝えした、新型コロナウイルスの状況かでの銘柄選びの要素である「現金力(企業体力)」について見開き2面を使って取り上げられており、改めて銘柄選定の重要性が問われてきています。
日経平均の下落
さて、先週までのマーケット展開は、出遅れていた投資家の買いや、ショートポジション(売りで儲ける取引)取っていた機関投資家が12日のメジャーSQ(デリバティブ取引の決済日)に向けてポジション調整による買戻しを迫られたりと、マーケットを押し上げる展開が続き、NYダウが1,800ドル下げた翌日も日経平均は大幅な下落にならないような底堅い展開となりました。
しかしながら今週はNYダウ先物の下落を見た機関投資家が、SQでの決済を終えたことで改めてショートポジションを形成したことで、日経平均は700円台の大幅下落となっています。

現在の世界情勢は「能動的材料探し」とも言える状態になっており、先週に発表されたFRBの2022年までの低金利政策ですら「3年は景気が戻らない」というマイナスの判断材料として扱われている状態です。こんな時は、はっきりと良い情報・悪い情報が区別しにくくなり、マーケットニュースを真面目に捉えると痛い目を見ることがあるため「マーケットがその情報をどのように捉えたか」を観察する必要があります。
今後の株価の展開
今週の展開としては「値固めが出来るかどうか」というところだと思われます。
先週まで想定以上で上昇した日経平均株価が今回の調整を経て、しっかりとした売買を伴って22,000円近辺に落ち着くことが出来るかどうかがカギであり、もし下落が強いようだと再度20,000円近辺までの下落も十分にあり得ますので、急上昇の先に急降下ありと言った形で注意が必要になってきます。
特に、20,000円前後は3月の最安値から上昇高値の半値戻しになるので、テクニカル的にも目指しやすい水準かと思われます。
反対にポジティブな内容としては、円高が進んでいないことだと考えます。FRBの金利政策が底打ちとなった(マイナス金利導入はない)との判断から、為替環境も1ドル107円程度で推移しており、この環境が続けば、日経平均にとってはそこまで大きな売り材料にはならないと考えます。
また、新型コロナウイルスの影響を想定以上にマイナスに見積もっている面もあるため、影響が想定範囲内に収まればこれもプラス材料として加味されると考えます。
状況は依然としてコロナ第2波を意識した展開ですので、世界的に経済活動が再開してきていることによって感染が拡大しマイナスの影響となる場合があります。難しい相場展開が続きますので、損切りも含めて冷静に取り組んでください。