菅首相が、この度99代目の首相として新たなスタートを切る形となりました。ここで投資家視点で気になるのが「菅首相がどれだけマーケットに影響を与えるか」という点だと思いますので、その辺りについて現状の意見をお伝えしたいと思います。
安倍首相誕生時のインパクト
記憶が7年以上昔のため、皆さんの記憶も曖昧になっていると思いますが、安倍首相が誕生した時のインパクトを覚えていますか?
そのインパクトは絶大で、黒田日銀総裁と共にアベクロ体制として日銀の大規模金融緩和がスタートしてから、本日までに日経平均は約2.5倍程度まで上昇しており、これは経済史に残るインパクトがあったと思います。
菅首相誕生のインパクト
その点では菅首相のスタートは、インパクトの小さいものと思われます。
安倍首相の後継として、取組み途中であった旅行補助に加えて、緩和経済の継続路線の方向性が変わらなければ大きな変化はなく、現状のマーケットに対しての影響は少ないですが、菅官房長官時代に口にしている地銀再編や携帯料金引き下げが早い段階で実行されていけば、少し話は変わってきます。
まずプラスの話として地銀再編はマーケットにとって大きな意味を持ちます。既にマーケットではこれを織り込みに行っており、想定される地銀再編を見越した株式売買が活発になっているため、一定の株価底上げ効果を持つと考えられますので、直近では期待が持てる内容だと思います。
反対にマイナス内容になる可能性があるのが携帯料金の値下げです。
これは日本の株式の中でも大きな規模を持つドコモやソフトバンクなどの収益悪化につながるため、マーケットの押し下げ要因になる可能性があります。
また現状でドコモやソフトバンクはキャッシュレス決済関連において不正取引の影響下にあることも追い打ちとなる可能性があることも注意が必要です。
しかしながら、携帯料金値下げは私たちの生活にとってはプラスに働くため景気全体を考えたらプラスかもしれません。
今後の菅首相の話題としては、
①解散総選挙がいつになるか
②減税対策が行われるのか
③予備費の10兆円を使って何をするのか
という3点かと思われます。
①の解散総選挙はコロナの関係から年内は行われない可能性があるので、現状の内閣でどれだけ菅首相のリーダーシップを発揮して、手持ちのカードを使っていけるかが、直近の注目点になりそうです。