こんにちは、雅の株です。本日は、デイトレードという手法について解説していきたいと思います。
前半は初心者の方が『デイトレ』を知るための内容で、後半はもう少し踏み込んだ『雅流デイトレ手法』を解説していきたいと思います。
ちなみにタイトルでは『投資法』と謳っていますが、相場の値動きの変動を利用して短期的に利益を上げていくことを、正確には『投機』と言います。
デイトレとは

デイトレは、株式の保有期間が1日未満の取引きを繰り返す手法の事で、大きなリターンや配当を狙う中・長期投資と違い、小さな値幅の利益を積み重ねる手法と言えます。
近年、ネット証券の普及で売買手数料が大幅に下がったり、口座を持ってると無料で使える各証券会社のトレードソフトの進化などが理由で、誰でも簡単に始めることができるようになりました。
誰でも参入することが容易なうえに、何百万・何千万と稼ぐようなデイトレーダーがたくさんテレビなどで特集されるようになり、近年注目を集めています。
現物取引・信用取引
デイトレードは信用取引で行う
まずデイトレの説明に入る前に、取引において大切な取引方法についてです。株の取引には『現物取引』と『信用取引』の2つの取引方法があります。
『現物取引』はごく一般的な株の売買方法で、証券口座に入金している自己資金を使って株を買ったり売ったりする方法です。
『信用取引』というのは証券会社から資金を借りて株を買ったり、株を借りて売ったりする取引方法のことです。
簡単に書きますが、『現物取引』では同一資金で同じ銘柄を売買することができないという決まりがあるのです。要は一度買って、その銘柄を売ったら、その資金で同じ銘柄はその日のうちには買うことができないという事です。
その点『信用取引』は差金決済の仕組みにより、同じ銘柄でも何度も取引することが可能なため、デイトレーダーはみんな『信用取引』で売買するのが一般的です。
信用取引の特徴やリスクについては以下にまとめてありますので、ご確認ください。
関連記事:信用取引についての記事まとめ
デイトレのメリット

僕が考えるデイトレの主なメリットは、以下の通りです。
①経済ニュースなどに影響を受けない。
②難しい企業分析は不要。
③短時間で結果を出せる。
①経済ニュースなどに影響を受けない。
・・・日本の株式市場というのは、お昼休みを挟む9:00~15:00が取引時間となっています。そのため、中・長期的に株を保有している場合は、取引時間外におきた何らかの経済の悪材料や地政学的リスクに対応することができません。そして、そういった市場に悪影響を及ぼすようなニュースというのは、決まって取引時間外に起きるものです。
例えば、記憶に新しい(と言っても10年以上前ですが)ライブドア事件。ライブドアの代表は現在多方面でご活躍中の堀江貴文氏でしたが、証券取引法違反で逮捕されました。この逮捕を受けて、事件後の2日間で日経平均株価が約1000円も暴落したのです。
お分かりいただけますか?ライブドアが単体で起こした事件で、日経を構成している主要銘柄のほぼ全てが下落したのです。つまり、株を中・長期的に保有しているという事は、こういったリスクを常に背負っているということになります。
デイトレードの場合はその日のうちに売買を完結させますので、そういった時間外に起きるリスクの影響を受けないというのが最大のメリットと言えるでしょう。
②難しい企業分析は不要。
・・・株式の主な分析方法には、『ファンダメンタルズ分析』『テクニカル分析』の2つがあります。
『ファンダメンタルズ分析』というのは、企業の経営状態・財務状況・売上推移などを会社四季報や決算書から分析し、その企業が投資適正銘柄かどうかを自分の投資判断基準と照らし合わせて分析していくことを言います。また個別銘柄の分析だけではなく、経済の時事問題、為替、金利、政治など、様々な事柄に目を向けるのも『ファンダメンタルズ分析』と言えます。
企業分析法はこちらに詳しくまとめてありますので、興味ある方はどうぞ。
関連記事:企業分析法まとめ
『テクニカル分析』とは、『株価チャート』と呼ばれる、過去の売買の流れを表したグラフを分析する方法のことです。売買ポイントを探る様々な指標を駆使したり、株価の統計的なチャートパターンと照らし合わせたりして、株の売買を行うのです。
株価チャートの『パターン』はこちらにまとめてありますので、宜しければご覧ください。
関連記事:株の値動き10パターン
デイトレードは、一日のうちに何度も取引を完結させる取引になりますので、上述したような複雑な企業分析は必要ありません。なぜなら一日のうちに取引を完結させるのに、企業が成長したり売上が伸びたりは関係ないからです。そういった複雑な『ファンダメンタルズ分析』が必要ないのも、デイトレのメリットと言えます。
③短時間で結果を出せる。
・・・デイトレは銘柄選びで全てが決まると言っても過言ではありません。一日という超短時間で決着をつけるわけですから、なるべく値動き(ボラティリティ)が大きい銘柄で取引することが大事です。
例えばですが、
●1日の値幅が100円の場合、500株の取引で50000円の利益
これは最安値で買って最高値で売った場合を仮定していますが、どちらの方が良いかはお分かりいただけると思います。特に『トヨタ自動車』などの超大型株であればあるほど値動きは少なくなりますので、なるべく値動きのある銘柄を選ぶことが重要です。
デイトレ手法~基本編~
ではデイトレする際は、基本的にはどんなものを見ればいいのか、という部分を少し解説します。


デイトレーダーが見ているものは人それぞれ違いますが、まずこの6つはほぼ共通して見ている指標と言えると思います。
①分足チャート・・・分足チャートとは1本が1~5分の値動きを表すローソク足のこと。見方は日足と同じです。この画面のトレードツール「Market speed」では、時間足は1~5分の間で自由に変更可で、トレンドラインも引けます。
②歩み値・・・取引が成立するごとに、その値段と株数が順番に表示されていきます。「ここで大きな買いが入って、上昇開始している」など、売買の様子を詳しく伺うことができます。
③板情報・・・「板」とは売り注文と買い注文が、いくらのところで、何株出されているかを表示したものです。直前に売買が成立した「現在値」を中心に、売り買い5本ずつの値段が表示されています。注文直前まで見ていたい重要情報です。
④日経平均・・・日経平均が強い上昇を見せれば、個別株も上昇しやすくなりますし、日経平均が崩れれば、個別株にも売りが出やすくなります。日経平均の分足チャートは、個別株と一緒に常に監視しておきたい指標です。
⑤ランキング・・・上昇率、出来高、売買代金、売買代金急増、などのランキングで、その時々の人気のある株や勢いのある株が見られます。リアルタイムで更新されますので、ランキングの入れ替わりで相場の動きも見えます。
⑥ニュース・・・市場全体に関わるニュースも、銘柄ごとのニュースも、株価を動かすことが多いため見逃せません。情報修正などのビッグニュースが飛び込んできたらチャンです。
これらの情報を総合的に見て、各銘柄の分析をしたり取引する銘柄の選定をします。チャートについては色んなパターンがありますので、経験を積み重ねながら覚えていくといいと思います。
関連記事:株価チャートの値動き10選
チャートを使ってテクニカル分析をする際、さまざまなテクニカル指標というサインをグラフ上に表示させることができます。
様々なテクニカル指標
●移動平均線・・・株価の大まかな値動きの流れを掴むことができる指標
●RSI・・・一定期間を取って、株の「買われすぎ」・「売られすぎ」を見るテクニカル指標
●MACD・・・移動平均線を改良し、トレンドを掴みやすくしたテクニカル指標
●ボリンジャーバンド・・・トレンドが発生するタイミングを掴む参考指標。レンジ相場でも有効
●一目均衡表・・・株価を時間的な観点で分析するテクニカル指標。複雑だが、使用するプロも多い
テクニカル指標はもっとたくさんありますが、よく使われるものをまとめましたので、参考にしてみてください。
雅流デイトレ手法
最後になりますが、ここからは管理人の僕が考えるデイトレ手法を書いて終わりたいと思います。僕は基本的に中期のスイングトレーダーですが、以前はデイトレをしていたこともあり、それなりに勉強したので参考までに。
資金管理
まず、デイトレで何よりも一番大切にするポイントは『資金管理』です。これは『損切りー〇%』『利確+〇%』という取引ごとに決めるのではありません。なぜなら取引する銘柄によってボラティリティは全く違うので、一概に決めることはできないからです。
ここで言う『資金管理』とは、自己資金に対する資金管理のことです。資金の大きさによって1%の金額が違うため、損失の許容範囲は人によって違うのです。資金100万円の人の5%は5万円ですが、資金500万円の人の5%は25万円になります。
自分がいくらまでの損失を許容できるかという事はあらかじめ決めておくと良いでしょう。一日の運用目標何%というのを設定するのではなく、マーケットは常に動いているので、それに対して対応するのです。
トレード時間
自分のなかで、『いつ』トレードするのか、というのも一つの大きなポイントになります。だらだら月曜日から金曜日の9~15時で取引してはだめです。
■時間的観点
例えば、前場のほうが買いが入る確率が高いので、後場はトレードしない、というのもいいかもしれません。
時間で言うと9時~9時半くらいの時間帯、もしくは9時~10時半くらいの時間帯に売り抜ければ高いところで利確できることが多いです。逆に2時半過ぎた頃からはデイトレーダーや証券自己売買部門の売りが出て下落することが多いので、それらの時間を意識すると良いでしょう。
■曜日的観点
曜日でいうなら週末の金曜日は、(土日持ち越したくないので)換金売りが多くでます。大型連休前も連休入り2日前位からは同じことが言えるでしょう。連休中に持ち越すと、上述したようなライブドア事件などの不祥事、天災や地政学的リスクがあるというのが理由の一つです。
大きなイベント(日米の金融政策発表日や雇用統計)がある時も一旦売られたりします。それらのイベントの結果によっては大きくどちらかに振れることがありますので。
こういったアノマリー的なものを逆手にとって利益を出していくのがデイトレーダーの仕事です。人が売っている時に安値で拾って、朝方プロや個人が買いを入れるタイミングで売り抜けると儲けることができます。
具体的に何を見ているか
では具体的にはどんな情報を見ているのかを書いてみます。
①8時過ぎ頃、アメリカのダウの終値をチェック
②ドル円を見る。(安定してればok。円高に振れてると懸念材料)
③日経平均先物の動き
④前日から朝方にかけての好悪材料チェック
⑤前場寄り付き前(9時前のこと)に好材料が出て買いが多く入ってる銘柄を吟味。寄ってからも買いが継続するのか?寄り天なのか?を検討
⑥9時以降は、マークしていた銘柄にインすると同時に値上がり率・値下がり率ランキングをチェック
⑦取引中は常に為替・先物の動きをチェック
⑧マーケットが順調であれば6で買った銘柄に買いが継続して利益が出ていますので、出来高・板の様子・歩み値・vwap等で判断して売り抜けるタイミングを探る
⑨他の銘柄で繰り返す
株というのはドル円と日経平均先物、そして特に最近はアメリカ株の動きに左右されます。円安→先物が買われる→株が買われるという感じのイメージです。先物が急激に売られたりするときがありますが、原因が、正直原因が不明なことがほとんどです。分からないときは単純にポジション外すことにしています。
まとめ
以上、デイトレについてのまとめでした。初心者向けの基本的なことから、少し踏み込んだ説明まで書きましたが、いかがでしたでしょうか。
とにかく一番大事なことは『資金管理』と『銘柄選定』です。テクニック的なことは経験と勉強を積んで少しづつ身に付けていけば良いと思います。
長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。