世界的な新型コロナウイルスの自粛緩和が、逆に感染拡大に広がりつつある今日ですが、比較的感染者数が少ないことから、日本株への影響は限られた展開となっています。また、為替に関してはドル安状況下においても、景気対策が整備されていくユーロ圏への試算移動により、ドル安分を吸収する形で動いたためドル円への影響は比較的穏やかに推移しています。
以前からお伝えしているように、新型コロナウイルスへの感染者拡大(正確には感染者拡大による再度の自粛要請)については注意を払いつつ、日本株は日経平均22,000円の根固めが出来るかどうかがポイントになってくると考えます。
資産運用業高度化プログレンスレポート2020
タイトルにも載せましたが「資産運用業高度化プログレンスレポート2020」というものが金融庁より発表されました。これは日本とアメリカの資産運用における投資信託とその運用会社の問題点について切り込んだレポートとなっており、今後の投資信託業界の変革を促す内容のものになっていたと考えるためご紹介します。
まず、投資信託における日本とアメリカの大きな違いはその商品数の違いです。これについては日本国内で販売されている投資信託商品の方が格段に多いのですが、しばしばその投資信託それぞれの純資産総額(投資信託の資産規模)がアメリカに比べて非常に小さいことが指摘されてきました。
そして、レポート中ではこの純資産総額と運用パフォーマンスを示すシャープレシオについて比較分析の結果が記載されており、純資産が小さな投資信託ほど運用パフォーマンスが悪いという結果が明確に示されました。
では、なぜこのように小さな投資信託ばかりが増えてしまったのかというと、そこには運用会社と販売会社が同族企業であるために、販売側がやりやすいように新商品をどんどん導入してきたことが背景にあるほか、専売(一定の販売会社しか扱えない商品)を導入したために商品販売のすそ野が非常に狭まったことも指摘されています。
この点についての改善が金融庁から求められるレポート内容となっているため、今後は純資産の小さな投資信託の期限前償還や統合が多くなってくると考えます。逆に、純資産が拡大することにより商品の運用効率の上昇が見込めるため、最終的により良い日本の投資信託状況になってくれることを期待します。