大幅な景気悪化に繋がる『クレジットサイクル』の終焉

現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~

こんにちは、雅の株ブログで経済コラムを担当している霧島です。

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『クレジットサイクル』と言う言葉をご存知でしょうか?あまり馴染みの無い金融用語かもしれませんが、これから1~2年の間に起こると予見されている、大幅な景気悪化を引き起こす要因になる可能性がある言葉なので覚えておいて下さい。

クレジットサイクルがどのように金融危機に発展していくのか、紐づけながらまとめていきます。




クレジットサイクル

クレジットサイクルの「クレジット」とはラテン語の貸付を表し「信用」と言う意味でも使われます。クレジットカードのクレジットも同じ意味合いですね。

今回はクレジットサイクルを借入循環と訳して、お話をしていきます。

 

一般企業の規模拡大には銀行や市場で調達する借入金が重要な役割を果たします。

 

クレジットサイクルとはどんなものか順に説明していきましょう。

 

①過剰債務企業がコスト削減などの努力をして債務削減をする。

・・・(回復期)

②借入返済コストが減り収益に余裕が生まれ、新たな借入で設備投資を行い収益が拡大する。

・・・(拡大期)

③景気循環などにより収益が悪化して、借入が増える

・・・(後退期)

④低迷期に入り資産整理(工場閉鎖など)を通じて安定化を図る。

・・・(修復期)

この①から④を繰り返して、企業が運営されていく状況に付随する借入の拡大と縮小をクレジットサイクルと呼びます。

 

またこのクレジットサイクルは個人の生活にも住宅ローンや自動車ローンと言う形で置き換えることが出来ます。

現在の世界経済は②の拡大期と③の後退期の間にあり、経済指標の結果から世界経済の後退期が囁かれる様になりました。

 

クレジットサイクルは拡大期において大量の借入を発生させます。世界の借入残高の総量が拡大していき、この大量の借入が弾けると金融危機に発展するのです。

実際にリーマンショックもサブプライムローンと言う住宅ローンが弾けたのがきっかけに発生しています。

 

世界全体の債務残高が増えていく中で、アメリカの金利が上昇していたため、拡大期のクレジットサイクルの終焉が近いと予想されていました。しかし、アメリカの利上げ停止がどれだけの意味を持つ対策だったのかをぜひ考えてみて下さい。

もしかすると、終焉が近いと言われたクレジットサイクルを後退期から再度拡大期に引き戻した可能性もあります。

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ABOUTこの記事をかいた人

こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。