先日債券投資や個人向け国債についての基礎知識の記事を書きました。
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細かいことが分からなくても、なんとなく『安全』という印象を持ちやすいのが債券投資です。
ですが債券投資も当然一つの投資商品なので、100%安全なんてありえません。
今日は債券投資で考えられる5つのリスクについて解説していきたいと思います。
価格変動リスク

まずは価格変動リスクについてですが、仮に取得した債権を満期前に換金する場合は、市場価格(時価)での売買となります。
個人向け国債を除きますが、債券価格にも価格変動があるため、途中換金する場合は元本を割ってしまうリスクがあります。
基本的には満期には額面が戻ってくるのが債券投資の特徴ですので、その辺りも事前に考慮するようにしましょう。
信用リスク

債券投資にも信用リスクが存在します。国債のように発行体が国ならほぼ問題ないと言えますが、企業などの債券に投資する際は注意が必要です。
その発行体の財政や経営状態が悪化することによって、債券の元本や利息の支払いが滞ったり、最悪、お金が全く戻ってこないという状況にもなり得ます。
こういったリスクを防ぐためには、事前に投資する企業や団体などの現状を把握する必要があります。
ただし、一般投資化が債券の信用度を測るのは難しいのです。
ではどのように信用度を測ればいいのかというと、『ムーディーズ』や『S&P』など、債券発行体とは利害関係のない第三者の格付機関のスコアを指標とします。
これらの格付機関について以前まとめましたので、興味ある方はこちらもどうぞ。
関連記事:世界の格付機関
格付けの方法は会社ごと異なるのですが、一般的には『AAA(トリプルA)』から『D』といったアルファベットを採用していますので、こういった格付機関の評価は参考にするようにしましょう。
途中償還リスク

途中償還リスクというのは、発行体の企業や団体などの財政や経営状況の悪化などによって、その債権の満期を迎える前に途中償還されてしまい、その時に元本を割っていたり受け取れるはずだった金利が受け取れないリスクのことです。
簡単に言うと発行者の都合で償還されてしまうケースです。
元本を割ることもあれば上回ることもあるのですが、これも一つのリスクと考えることができます。
為替変動リスク

為替変動リスクは、例えば外貨建ての債券など、海外通貨で利息分や償還金が返される際に考えなければならないリスクです。
お金を受け取る時点での為替水準によって、円換算した際の金額が変わるからです。
【例】債券購入時1$=100円で1万ドル外国債を購入
■円安になった場合(1$=110円)→110万円(+10万円) ■円高になった場合(1$=80円)→80万円(-20万円) |
カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資先の国の経済や政治状態の悪化により起こり得る価格変動です。
国債に投資している場合、日本のように比較的安全と言われる国の国債なら大丈夫ですが、経済危機により破綻する国もあるのです。
国に投資する際は、その国の経済や政治の状態をしっかりと見極めるようにしましょう。