100年に一度の経済危機【リーマンショック】当日の様子も踏まえて解説します!

現役証券マンの経済コラム
~お金の流れで世界を知る~

こんにちは、雅の株ブログで経済コラムを担当している霧島です。平素は私のコラムをお読みいただきありがとうございます。

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今回は「100年に一度の経済危機」と呼ばれたリーマンショックについてです。

当時、実際に自分が経験した感想を踏まえてご紹介したいと思います。




100年に一度の経済危機【リーマンショック】とは

「リーマンショック当日の朝、私は東京証券取引所にいました。」

リーマンショックから今年で10年が経ちます。

そんな節目に、この事件を経験した人も知らなかった人も少し学んで頂けたらと思います。

ちなみに私にとっても10年前の記憶なので記憶が曖昧な部分もあるのでご了承下さい。

実はリーマンショック当日の朝、私は東京証券取引所にいました。

マーケットが開いた瞬間から株価を表示するボードには緑色の字で「トク」(特別売り気配の略称で、売却注文が多すぎて値段が付かない状態)の表示が並び、株価が暴落して行くのを見ていました。

あの時ほどマーケットの中で自身の存在が本当にちっぽけなものだと感じた瞬間は無く、ただただ大きな流れに流されていくだけしかないと感じました。

【リーマンブラザーズ】の破綻

破綻

さて、このリーマンショックですが、始まりは当時アメリカ第4位の証券会社であり、この金融危機の名称にも出てくる「リーマンブラザーズ」と言う会社の破綻から始まります。

日本ではこのリーマンブラザーズ破綻直前に約16,000円程度だった日経平均は、約半年後には約7,000円まで下落します。

その後約4年間に渡り日本も経済低迷に陥入るのです。

リーマンブラザーズの規模は大きく、破綻時の負債の規模は60兆円になりました。

日本の国会で議論になる国家予算案が100兆円程度であると考えるとその負債の大きさが伺えますよね?

当時の従業員は世界で約23,000人おり、格付会社のS&Pから付与された格付はAクラスなので「破綻」の二文字は格付機関でさえ考えもしないものでした。

ちなみに日本最大の倒産負債総額は2000年に破綻した協栄生命保険で、倒産時の負債総額は約4.5兆円なので、負債総額60兆円の大きさは計り知れない数字です。

この世界有数の証券会社の破綻が引き起こしたのは大きな信用不安です。

 

影響

 

当時のリーマンブラザーズを破綻に追い込んだ大きな原因は「サブプライムローン」と呼ばれる不動産金融商品であり、リーマンブラザーズはこれを組み込んだ金融商品を多数かつ大量に販売していたため、

「あそこの銀行が大量にサブプライムローンが入っている商品をリーマンブラザーズから買っていたから、あの銀行も破綻する!」

「いや、こっちの証券会社会社の方が多く持っていたから危険だ!」

「この保険会社の商品にも組み込まれていた!」

などの噂が広まり、金融機関同士の資金の流れがストップします

通常では銀行同士はインターバンク市場(金融機関同士の資金のやり取りを行う専用市場)で短期間のお金を融資し合って効率的にお金を流動させています。

感覚的には友人からお昼代を借りるくらいの感覚で「急に大きな融資が決まったんだけど、いま手持ちがなくて、、、明日返すからお金貸してくれない?」ぐらいのやり取りなんですが、リーマンショック後はこれが「あの銀行にお金貸してと言われたけど、確かあの銀行はサブプライムローンを沢山持ってて、もしかしたら破綻するかもしれないから、うちは出さないよ!」と言った形になり、世界経済の血液とも言われるお金の流れが停滞したのです。

このお金の停滞が世界的に広がった為に、世界規模での不況に陥入ったのです。

このリーマンショックの裏には様々なドラマがあります。

次回はこのリーマンブラザーズ破綻までの約半年間に何があったのかに迫ってみたいと思います。

【リーマンショック】
リーマンショック 第1話:当時の様子
リーマンショック 第2話:サブプライムローン
リーマンショック 第3話:証券化
リーマンショック 第4話:ベアスターンズ
リーマンショック 第5話:最後の10日間
リーマンショック 第6話:最後の3日間
リーマンショック 番外編:その後の経済
執筆者

執筆者あいさつ

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こんにちは、投資診断士の遠藤雅士です。普段はWEBデザイン事務所を営んでいます。投資歴9年、投資メディア運営4年です。資格『投資診断士』取得。個別銘柄のファンダメンタル分析から割安株を探すことに趣きを置いています。チャート読みも割と得意です。趣味は楽器、スポーツ、家族と旅行です。