直近のニュースとして大きな話題となった2つを今日は取り上げてみたいと思います。
現在の相場環境は平穏であり、小さな波風は立つもののすぐに元に戻るような良い相場環境が続いています。しかし、今回のNTTによるドコモ買収やトランプ大統領のコロナ感染は大きな波風であったと思います。
NTTのドコモ買収
NTTのドコモ買収は金額が4兆2,000憶円となる案件ですが、もとの形に戻るだけなので市場の評価としてはフラットな気がします。しかしながら、ドコモはこれまで既存株主の影響によってできなかった大幅な改革に乗り出すことが出来るようになる点では、大きな一歩であると言えます。
ドコモはここ数年において国内シェアを落としている状態でした。それはドコモブランドとも言える「通信範囲が広い=値段が高い」という公式が崩れ始めたからだと私は考えています。
現在、ソフトバンクやKDDIの通信設備も広く設置されるようになった他、人々が都心へ集中する人口動態から、わざわざ過疎地域まで過度に電波塔を設置する必要性がなくなり、通信範囲拡大が不要となってきています。つまり、わざわざ値段が高い理由付けがなくなってしまったのです。
結果として現在では、ドコモだけでなく、通信大手3社全体に追い打ちをかけているのが、楽天やLINEと言った新興格安スマホ組であり、携帯料金が3分の1以下になることも魅力の一つとなってシェアを広げています。
ここでドコモがNTT傘下に戻ることでどんな変化が起こるかと言うと「意思決定のスピードが格段に上がること」が大きな変化だと言えます。今まで、ドコモはシェアの下落を、通信料を維持することで株主の反発に耐えてきましたが、今後は「痛みを伴う政策も大株主(NTT)の決定ならやれる状態になった」と言えます。
つまりはNTTさえOKなら、菅首相の意思に従って値下げもできる状態になったのです。
表向きは「デジタルトランスフォーメーションへのグループ挙げての挽回」と言ったものでしたが、本音はここかと思います。ちなみにですが、NTT株の33%強を持っているのは政府なのでそこもお忘れなく。
トランプ大統領のコロナ感染
トランプ大統領のコロナ感染も見逃せないニュースです。トランプ大統領は前回のテレビ討論会でバイデン氏よりも悪い印象を世間に与えてしまい、現状は不利な状況です。
これは想像ですが、トランプ大統領はあまりにも分が悪くなってきたため、話題作りと時間稼ぎのために感染ニュースを流した可能性があると私は考えています。もちろん勝手な妄想ですが、今回の感染により、最低2週間トランプ大統領は選挙活動が出来なくなるため、大統領選の延期が濃厚になってきます。
もし、この時間稼ぎの間に追加の経済対策などをまとめることが出来れば、少なくとも自身の支持率にはプラスに働くので、そこまでの期間を稼いだ可能性が十分にあると考えられるのです。無症状の症例があるのがコロナですが、どうにも不信感があるほか「トランプ大統領ならあり得る」と私は思っています。
※個人の見解ですのでご了承ください。