皆さん、こんにちは。本日の経済コラムです。
2019年7月26日日経新聞朝刊「欧州中銀、利下げ示唆9月有力、量的樱和も」
欧州中央銀行(ECB)は25日の理事会で追加利下げや量的緩和政策の再開を検討していく方針を決めました。
政策金利は2020年前半までに「現状か、より低い水準」にすると明言したことで、まずは9月の次回理事会での利下げの可能性が高まっています。
EUの景気はリーマンショックとギリシャショックなどで深手を負い、その後は財政状况の悪いポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの4ヵ国を抱えたままの政策運営を余儀なくされて来ました。
ドイツの好況などに支えられながらも、EU主力の自動車産業が燃費不正問題などに影響を受け、景気状況が戻らないまま、今度はプレグジットや移民問題などを抱えている状況にあります。
特に今回のブレグジットに関しては離脱強硬派と言われるジョンソン新政権がイギリスに誕生したため、10月末に合意がなくても離脱を強行する可能性が高くなりました。
それを想定して他の地域に移る企業が出てくる可能性も高いため、景気状況の更なる悪化も懸念されます。
ECBのドラギ総裁はこのような環境の中で巧みに政策を進めてきた実績がありますが、今回も今後の経済状況を想定した発言であり、物価目標の達成の為であれば「長期間、強力な緩和姿勢で、全ての政策手段を調整する用意がある」という発言からは強い意志も感じられました。
しかしながら、マーケットは「もっと緩和姿勢が強く出ると想定していたが、予想以下だった。」とのことで、調整をしています。
これにより世界全体が再度利下げ競争に身を置く可能性が高まりました。
世界全体が再度利下げ競争入りすると想定するならば、世界株式は再度緩和マネーに支えられる可能性が高いため、株式の息切れはもう少し先になるかもしれません。
今後のマーケットは今回のような緩和姿勢を織り込みながら、利下げ競争下の中で再度成長路線に入ると考えられます。
しかし、現在の利下げは予防的な一面が大きい半面で実際の下落局面発生時には更に大胆な緩和が求められると考えるので、あまり利下げ幅は大きく取りたくないのが各国の本音だと考えられます。
徐々に下がる金利に呼応するように株式は最後の上昇局面に入るかもしれません。
最後の宴が終わったときの準備をそろそろ始めるべきかと考えます。