コロナで揺れる経済
東京都内のコロナウイルス感染者が連続で過去最高を記録しており、ついに日本国内でも爆発的な広がりの様相が出てきました。データでは人との接触を8割減らすことで、感染者減少に転じる可能性があるとのことですが、現在の東京の日中の外出者人数は約3割減程度であるため、より一層の「在宅ワーク強化」や「出勤停止指示」などの行動が必要になってきました。
そんな中で、感染が海外に広がり始めた初期に影響の少なかったアメリカが感染者と死者の爆発的な増加に苦しんでいます。経済的に見れば大きなマイナスは避けられず、今後はこの数値が減少に向かうまでは、アメリカの政策が景気後退を喰いとめるか、もしくはそれを突破するほどのパンデミックになるかの綱引き状態にあると思われます。
ハイイードル債
しかしながら先日にアメリカが出した政策である「ハイイールド債買付」の政策は「ついに禁じ手!」とまで思わせる効果があると感じます。ハイイールド債とは「利率の高い債券」つまり信用格付が低い債券群を総じて呼びます。
ハイイールド債が脚光を浴びたのはリーマンショック後のアメリカで始まった「ゼロ金利政策&資金供給」時になります。当時は世界的な低金利により債券投資による金利収入が低下していたことや、資金供給によりダブついた資金がリスクとリターンを求めてハイイールド債に向かったことで、非常に高いパフォーマンスを誇りました。
今回のコロナショックは前回のリーマンショックの時とは違い、いきなり実態経済に影響を及ぼしており「質への逃避(信用格付の高い投資先へ資金が向かうこと)」が急激に進んでいたため、ハイイールド債への支援を行うことで経済の下支えを行ったと考えます。
OPECプラス
また、これにはアメリカ経済の根底の理由もあり、現在コロナショックの裏で大きな影響を出しているOPECプラスによる原油の減産合意なのですが、アメリカのハイイールド債と言われる企業には、多くのシェールオイルやシェールガスの関連企業であり、ここが潰れるとアメリカの原油シェアの低下により国際的な優位カードを失いかねない危機感もあると思います。
OPECプラスの日量1,000万バレル減産合意は、予想値で日量2,000万バレル需要が低下していると言われている中でどこまで効果が出るかわかりませんが「とれる手段は全て取る」という気概が見られるアメリカの資金投入は、現状の経済の下支えになるとともに、コロナショック後には、リーマンショック回復期同様の超緩和経済へと引き継がれていくと思われます。